】~休職対応の注意点-その④~<よつば総合法律事務所 弁護士 村岡つばさ>

休職対応の注意点として、最後に、「復職」の場面をお話します。

復職意向を必ず確認する

 まずは、体調面等も踏まえて、本人に「復職の意向があるか」を必ず聞くことをお勧めしています。本人に復職の意向がないということであれば、退職届を提出してもらい、退職処理を進めることとなります。
 なお、特にメンタルヘルスの場合、電話・対面などで復職意向を確認しづらいこともありますので、この場合には、休職期間満了の2~3週間前に、復職意向を確認する書面を送ることをお勧めしています。

診断書などを踏まえた復職可否の検討

① 休職期間満了のタイミングで、「復職可能」との診断書が提出され、会社としても復職に問題ないと判断した場合には、従業員を復職させることとなります。
 原則として、「休職前の業務内容・現場に復帰」させることとなりますが、休職時と復職時でタイムラグが相応にあることから、休職前の業務内容・現場に復帰させることが難しいこともよくあります。また、健康状態等を踏まえて、業務内容・現場を変更するケースもあります。
 このような場面では、従業員に不満が生じる可能性があるため、復職前に本人とよく話し合いをすることをお勧めします。

② 休職期間満了のタイミングで、「復職不可」「就労は難しい」といった診断書が出てきた場合には、基本的には、本人の意向に関わらず、復職できないものとして扱うこととなります。
 この場合、就業規則がしっかりと規定されていれば、「解雇」を選択することなく、自然退職処理を行うことが可能です。なお、紛争リスクをより減らすために、このケースでも、本人に退職届を提出してもらうこともあります。

③ 一番難しいのが、「軽作業なら就労可能」「●●に配置転換すれば就労可能」といった診断書が出てきた場合です。この場合の対応は本当に難しいので、必ず専門家に相談してください。「現職に復帰できないなら即退職」という処理は、ほぼ間違いなく紛争化します。

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村岡つばさ

よつば総合法律事務所 企業法務部門責任者・弁護士

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【略歴】早稲田大学法学部・慶應義塾大学法科大学院卒業
千葉では珍しく「企業法務案件」のみを扱う弁護士。
会社側の労働案件が専門分野。
社労士会、税理士会、弁護士会等各種団体で研修・セミナー講師を多数担当。
税理士法人レガシィより
「これだけやっておけば良い!パワハラ防止法対策」
「使用者側目線 労災対応ノウハウ」セミナー発売中

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