【弁護士解説】~フリーランス保護新法について-その③~<よつば総合法律事務所 弁護士 村岡つばさ>
よつば総合法律事務所の村岡です。
フリーランス保護新法のコラム-最終回として、「結局企業は何をすれば
良いのか?」という点を解説します。
1 まずは制度を理解する
正直なところ、フリーランス保護新法は非常に分かりづらいです。①フリーランスとの全ての取引にこの法律が適用されるわけではないですし、②発注者の負う義務も、発注者の属性(従業員がいるか等)や契約期間によって異なります。
2 最低限、しっかりした「契約書」を用意する
フリーランス保護新法の適用対象となる場合、全ての発注者は、「取引条件の明示義務」を負います。「何も書面の取り交わしがない」まま続いている、フリーランスとの取引も山ほど見てきましたが、今後は全て法違反になります。
必ずしも「契約書」の形式を取る必要はないですが、トラブル防止の観点から、しっかりとした契約書を用意することを推奨します。ここが、フリーランス保護新法対応のスタートラインと考えています。
3 よくある「落とし穴」を理解しておく
「遵守事項・禁止行為の全てを理解してください」-まさに、言うは易く行うは難しです。
よくある勘違いと言いますか、よくある落とし穴を2つ記載します。
①報酬の支払時期は自由に決められる!
前回のコラムで記載した、「期日における報酬支払義務」に反する可能性があります。一部例外はありますが、物品の給付や役務の提供を受けた場合には、原則として、受領日から60日以内には、報酬を支払う必要があります(※特定業務委託事業者の場合にのみ適用されるルールです)。
②フリーランスは労働者じゃないので、いつでも契約解除できる!
解雇の場面に近いルールが新たに定められました。契約解除や更新を行わない場合には、原則として30日前までに予告が必要になりました。解除等の理由の開示を求められた場合には、遅滞なく開示する必要もあります(※特定業務委託事業者で、6ヶ月以上の継続取引の場合に適用されるルールです。)。
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