【弁護士解説】~弁護士業界の実情-その② 司法修習~<よつば総合法律事務所 弁護士 村岡つばさ>
よつば総合法律事務所の村岡です。
司法試験合格後、裁判官・検察官・弁護士になるためには、司法修習(研修)に行く必要があります。期間は1年間(昔は2年間でした)です。
今回は、あまり語られることのない司法修習の実態につきお話します。
1 司法修習では何をするのか?
裁判所、検察庁、弁護士事務所にそれぞれ配属され、法曹三者の実務を経験します。
例えば、以下のような経験を修習中に行うことができます。
①裁判所:裁判期日への立会い・傍聴、判決文の起案、争点整理の検討等 ②検察庁:被疑者の取調べ、終局処分の起案(起訴するかの判断等)、決裁等 ③弁護士:法律相談の同席、接見や現地調査への同行、裁判所に提出する書面の起案等 |
2 司法修習はどこで行われているのか?
司法修習は、全国47都道府県で行われています。修習地の希望を出すことはできますが、希望が通るとは限らず、予想外の場所が修習地になることもあります。
私は希望通り、仙台で修習を受けることができましたが、東京・横浜等の関東圏を希望していたものの、釧路で修習することになった友達もいました(※最初はびっくりしていましたが、行ってみたらとても楽しかったとのことです。)。
なお、司法修習の最初の2ヶ月と最後の2ヶ月は、全修習生が埼玉県の和光市に集まり、皆で修習を受けます。
3 司法修習中の給与は?
司法修習生には月13.5万円~17万円の給付金が支給されます(給与のようなものです)が、実は私が修習に行っていた期間は、この給付金はありませんでした。無給です。
流れとしては、①元々は給付金が支給されていたものの、②2011年から給付金の支給が廃止され、③その後に給付金の支給が復活した、というものです。
②の廃止されていた期間は約6年間で、この期間中に修習していた修習生は「谷間世代」などと呼ばれています。谷間世代ど真ん中の弁護士としては、色々と不服はあるのですが、制度が復活してくれて本当に良かったと思っています。
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