】~「柔軟な判断」とは具体的になんでしょうか~<産業医 工藤知紀>

こんにちは!千葉くどう産業医事務所株式会社、産業医の工藤です。
寒い日々が続いていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?冬は体が冷えやすく免疫力も下がりがちですので、体調管理にはくれぐれもご注意ください。
さて、今回は「産業医に求められる柔軟な判断力」について、さらに掘り下げてお話ししたいと思います。

柔軟な判断が信頼を築く

「どの疾患なら働けるのか?」という問いに対する産業医の答えは、単純ではありません。その答えは、社員の業務内容、職場環境、症状の程度などを総合的に判断したうえで決まります。
例えば、
・高血圧ですが、コントロールできれば、夜勤、高所作業の就業制限が不要かもしれません。
・眠気が出る薬を服用している場合、運転業務に従事するには注意が必要な可能性があります。
こうした判断を具体的にするには、医学知識だけでなく、社員と職場の状況を深く理解する力が必要です。さらに治療に関しては主治医への問い合わせが重要です。

主治医との連携がカギ

産業医は臨床での専門科があったとしても、すべてのケースを自己解決することはできません。
その場合は「診療情報提供依頼書」を活用して主治医と連携します。主治医に経過、治療計画、配慮が必要な事項を文書で正式に問い合わせることが出来ます。
このプロセスを丁寧に行うことで、社員の健康を守りつつ、会社の安全配慮義務違反リスクを軽減することが出来ます。
能力の高い産業医要素として、適切な場面で「診療情報提供書」をはじめとしたカードを切ることが出来るかは重要かと思われます。

産業医として、社員の健康や職場の安全を守ることはもちろんですが、それ以上に「信頼される相談相手」でありたいと考えています。
ご意見やご質問があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください!

この記事を書いている人 
-Writer-

工藤知紀

千葉くどう産業医事務所株式会社/代表取締役・産業医

【略歴】渋谷教育学園幕張高等学校を卒業後、札幌医科大学入学。
大学卒業後は豊田合成株式会社で専属産業医として勤務し、従業員の健康管理や労働環境の改善に尽力。
この期間に培ったノウハウを活かし、地元千葉県の中小企業を支援するために独立。「千葉くどう産業医事務所株式会社」を設立。
現在は、地域密着型の産業医サービスを提供し、中小企業の職場環境改善や従業員の健康維持・向上をサポート。企業のニーズに応じた柔軟な対応を行い、各社の健康管理体制の強化に貢献している。

【資格】日本医師会認定産業医、産業保健法務主任者(メンタルヘルス法務主任者)、健康経営エキスパートアドバイザー、両立支援コーディネーター
【所属学会】日本産業衛生学会、日本産業保健法学会、日本産業ストレス学会

趣味:ラーメン屋巡り。ラーメン3選は、ラーメン二郎、えびそば一幻、すみれ。
最近のマイブーム:ポータルサイトで間取りを見るのにハマっています!

webサイト:https://kudo-sangyoui.com
LINE:https://lin.ee/rcRkIIS

関連ブログ

お問い合わせは、下記よりお願いいたします。

弊社の記事の無断転載を禁じます。なお、記事内容は掲載日施行の法律・情報に基づいております。本ウェブサイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。社会保険労務士法人エフピオ/株式会社エフピオは本ウェブサイトの利用ならびに閲覧によって生じたいかなる損害にも責任を負いかねます。

タグ:
   

関連記事

2025.01.03
産業医解説
~会社のメンタル対応は精神科医師が良いか?~<産業医 工藤知紀>
2024.12.03
産業医解説
~産業医って何している人?様々な疑問に答えます~<産業医 工藤知紀>