【東京商工リサーチ掲載記事】従業員退職防止のために<社会保険労務士 廣瀬潤>
会社において「退職」が増えると、会社にとって大きな問題になります。せっかく入社し仲間となった従業員が退職してしまうのは寂しいことですし、大きな損失にも繋がります。
今回は、どうしたら従業員が辞めず楽しくやりがいを感じながら働き続けられるのかをテーマにお話しいたします。
なぜ従業員は会社を退職したくなるのか
従業員はなぜ会社を辞めたくなるのでしょうか?退職防止をするには、「会社を辞めよう」と考える理由を知ることが重要です。退職を検討する理由は以下のことが考えられます。
- 仕事がきつい、仕事と生活のバランスが悪い
例:「毎日残業ばかりで休む暇がない・・・」 - 人間関係の問題
例:「上司や同僚と折り合いが悪い(意見が合わない)」 - 給与等の待遇に不満がある
例:「頑張っているのに評価されない・・・」 - 成長を感じられない、成長するチャンスがない
例:「このまま働き続けてもスキルを獲得できない、伸びないのでは・・・」
これらの理由が重なると従業員は「退職した方がよいのでは・・・」と考えます。
退職を防ぐために
では、退職を防ぐためにはどのようにするのがよいのでしょうか。
退職を防ぐには、従業員が「この会社で働き続けたい!!」と思える環境を作ることが重要です。以下のポイントを参考に実行してみましょう
- 従業員の声をしっかり聴く
従業員が仕事について「どのように感じているか」、「何か困ったことはないか」といった話をし、聴く時間をつくることが大切です。例えば、定期的な面談や匿名のアンケートを実施することで、従業員の本音を知ることができます。 - 職場の環境を整える
働く場所が快適で、安心し快適な雰囲気を整えましょう。例えば、デスクの配置や休憩スペースを見直すことや、笑顔で挨拶する文化を大事にするなどがあります。 - 成長できる機会を用意する
「自分が成長していると」と感じられるとやりがいが増加します。業務に関連する研修やセミナーへの参加、スキルアップのための予算を設定するなど、会社から従業員へ成長の機会を用意することも退職防止に繋がります。 - 頑張りをしっかり認める(お互いに認め合う)
どんな小さな成果でも、従業員の努力を認め、褒めることが大切です。「ありがとう」、「助かったよ」ちょっとした声を掛けるだけでも退職防止に効果的です。 - ワークライフバランスを大切にする
従業員が仕事だけでなく、プライベートの時間も充実させられるように工夫することも重要です。定時退社日(ノー残業デイ)の設定や有給が取得しやすい雰囲気づくりなどが上げられます。
また、退職防止にはコミュニケーションも重要となっています。例えば職場内での雑談です。
もちろん過度な雑談は、業務に影響を及ぼすため憚れることですが、雑談をすることによって「警戒心を薄め関係性を深める」、「報連相が習慣化される」、「会話のラリーにより思考や発想が柔軟になる」等の効果があり、従業員間のコミュニケーションが活性化され退職防止に繋がるだけでなく、職場や組織の雰囲気、さらには業務へもよい影響をもたらすと考えられています。
みんなが働きたい職場を目指しましょう
退職防止には、従業員一人ひとりの思いや状況に目を向けることが重要です。そして、「この会社で働いてよかった」と思えるような職場環境づくりを心がけましょう。
小さな工夫でも、大きな変化を生むことがあります。できることから少しずつ退職防止に取り組んでいきましょう。
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