【弁護士解説】~弁護士業界の実情-その③ 就職活動~<よつば総合法律事務所 弁護士 村岡つばさ>
よつば総合法律事務所の村岡です。
前回の司法修習に引き続き、今回もあまり語られることのない、弁護士の就職活動についてお話します。
1 就職活動のタイミング
弁護士の就職活動のタイミングは、年々前倒しになっています。
以前は、司法試験合格後に就職活動を始める人が多かったですが、現在では、司法試験の「受験前」から、インターン、〇〇クラークといった名目で、事実上の就職活動が行われています。2で述べるような、弁護士の「採用難」「売り手市場」が理由です。
2 弁護士業界の「採用」の実情
少なくともこのコラムを書いている現在は、完全に「売り手市場」です。
現在の司法試験の合格人数は年間1500人程度です。
このうち、大手事務所・大規模事務所がかなりの人数を採用します。また、裁判官・検察官になる人も毎年100名以上います。弁護士事務所ではなく、企業内弁護士(インハウス)になる人も増えてきました。
表現として適切かは分かりませんが、残りの数百人を全国の事務所が奪い合っている状況です。特に、「新卒採用が都内に集中する」傾向は顕著になっており、地方事務所の採用はかなり厳しくなっているのが実情です。この傾向は今後も続くでしょう。
なお私が弁護士になる少し前は、「就職氷河期」と呼ばれるほど「買い手市場」でした。その当時の条件などを聞くと、今だと見向きもされないくらい低い(悪い)条件でした。
3 弁護士事務所の規模感
実は、弁護士事務所の大半が、「小規模」の事務所です。2021年の統計ですが、所属している弁護士が1名の事務所(いわゆる一人事務所)の割合は60%を超えています。
当事務所は現在、22名の弁護士が所属していますが、先日発表された「全国法律事務所ランキング」を見ると、この人数でも、109位にランクインしていました。千葉県内に絞ると1~2番目に大きい規模となります。
業界的には、所属弁護士が50名を超えればTOP30に入るくらいの規模感であり、一般企業と比較すると、かなり小規模な印象を受けるかもしれません。
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