【産業医解説】~熱中症は5月から始まっている?“暑熱順化”がカギです~<産業医 工藤知紀>
こんにちは!千葉くどう産業医事務所株式会社、産業医の工藤です。
5月に入り、日中は汗ばむような陽気も増えてきましたね。まだ夏本番とは言えませんが、実はこの時期、熱中症のリスクが高まる“危険な初期段階”でもあるのです。
今回は、「暑熱順化(しょねつじゅんか)」をキーワードに、5月から始めるべき職場の熱中症対策についてお話しします。
暑熱順化とは?なぜ5月が危ない?
「暑熱順化」とは、体が暑さに慣れていく生理的な適応反応のこと。
汗をかきやすくなったり、体温調節がスムーズになったりすることで、熱中症になりにくい体に変化していきます。
ただし——
🔸 順化にはおよそ1~2週間かかる
🔸 暑さに慣れていない時期にいきなり暑い日が続くと、順化が追いつかず熱中症のリスクが高まる
特に5月は、急に気温が上がる日があり、まだ体が暑さに慣れていない=最も危ないタイミングなのです。
5月から始める熱中症対策のポイント
✅ 1. 暑熱順化を意識した作業計画を
急に長時間の屋外作業をさせず、少しずつ体を暑さに慣れさせるスケジュール管理が大切です。
✅ 2. WBGT(暑さ指数)のチェックを習慣に
気温・湿度・輻射熱を反映した「暑さの感じ方」を数値で確認し、作業中止や休憩判断の基準に。
✅ 3. こまめな水分・塩分補給をルール化
「喉が渇く前に飲む」が基本。作業場へのポスター掲示や、補給ポイントの設置も効果的です。
✅ 4. 新人・異動者に向けた教育を徹底
暑さに慣れていない新入社員や異動者は特にリスクが高く、教育と見守りの体制強化が必要です。
まとめ:熱中症は「慣れていない時期」が最も危ない
5月は暑さに慣れていない=リスクが最も高い季節です。
「まだ大丈夫」ではなく、今から始める対策が、夏本番を乗り越えるカギになります。
「どこから始めれば?」という場合も、どうぞお気軽にご相談ください!
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