【弁護士解説】~契約書確認のポイント-その① 契約書の重要性~<よつば総合法律事務所 弁護士 村岡つばさ>
よつば総合法律事務所の村岡です。
先日、企業様からご依頼いただき、「契約書の注意点」について研修を実施しました。今回から数回に亘り、契約書確認のポイントについてお話させていただきます。
初回は契約書の重要性です。
① 当事者の合意内容を証する重要な証拠になる
前提として、「口約束」でも契約は成立します。
ただし、後日紛争化してしまった場合に、「●●という合意があった」ことを証明するのは非常に困難です。まさに「言った言わない」の争いになります。
そのため、当事者間の合意内容を、契約書により「証拠化」することが重要です。
② 法律上の原則を修正できる
当事者間で何も取り決めていない場合には、民法などの「法律」のルールに従って処理・判断されることになります。
ただしこれが、契約当事者にとっては酷な結論になることも多いです。
例えば、知り合い(A社)からの依頼だったので、「お友達価格」で、1万円でとある業務を請け負ったものの、その業務で軽いミスをしてしまいました。このミスにより、A社に1億円の損害が生じた場合、たとえ報酬額が1万円であっても、1憶円の損害賠償責任を負う可能性があります。
これでは、「報酬とリスク」が全く釣り合っていませんが、民法の原則を前提にすると、上記帰結もあり得るわけです。
契約書で、軽過失を免責する条項や、損害賠償額の上限を設定していれば、上記のような帰結を回避することが可能です。
③ 「そもそも契約が成立しているのか?」というトラブルを回避できる
契約書がないと、「そもそも契約が成立しているのか」というトラブルが生じることがあります。システム開発などの類型で多い紛争です。担当者ベースで話が進んでおり、契約書がないまま実稼働が先行しているようなケースでは、特に注意が必要です。
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