【産業医解説】~「慣れ」と「気の緩み」が事故を呼ぶ。夏の安全対策をもう一度~<産業医 工藤知紀>
こんにちは!千葉くどう産業医事務所株式会社、産業医の工藤です。
7月に入り、日差しが強く気温も一段と上がってきました。
熱中症リスクは引き続き注意が必要ですが、実はこの時期、転倒・接触・機械挟まれなどの労働災害も増える傾向にあるのをご存知でしょうか?
今回は、「慣れた頃の落とし穴」に注目しながら、夏の安全管理についてお話しします。
7月は“注意力の低下”と“油断”が重なる時期
この時期、事故が増える理由のひとつは、「業務に慣れてきた」ことによる油断です。
✅ 4月入社の新入社員や異動者が職場に馴染み始める頃
✅ 暑さによる集中力の低下・疲労の蓄積
✅ 梅雨明け前後の足元の滑りやすさ、視界不良
こうした条件が重なると、「つい」「うっかり」といったミスから大きな事故に発展するリスクが高まります。
夏場の労働災害を防ぐためのチェックポイント
🔸 1. 作業前点検の“徹底”
→ 毎日の始業時に、機械の異常確認・保護具の装着確認をルール化しましょう。
🔸 2. 声かけ・見守りを“日常化”
→ ベテラン社員こそ油断しがち。「お疲れ様です。気をつけてくださいね。」の一言が意識を引き締めます。
🔸 3. 足元・床面のチェック強化
→ 雨の日の出入り口や通路は特に滑りやすく、転倒事故の主要な原因となります。
🔸 4. 休憩の確保・暑さ対策も安全対策の一部
→ 疲れた体では判断力も鈍ります。休憩の声かけや水分補給の習慣化も忘れずに。
産業医の役割:安全は“健康”とつながっている
産業医は健康だけでなく、労働災害のリスクを減らす環境づくりにも関わります。
✅ 危険作業に従事する社員の体調確認
✅ 労災後の再発防止策の助言
✅ 安全衛生委員会などでの安全啓発活動の支援
現場の「なんとなく不安」「ここが気になる」を見逃さず、健康と安全の両面からサポートいたします。
作業に慣れてくる7月こそ、「基本動作の徹底」「声かけ」「気配り」が重要です。
暑さや疲れが積もる時期だからこそ、安全確認を怠らず、事故ゼロを目指しましょう!
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