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労災保険について(療養補償・休業補償編)

【公開日 2024.07.23】

労災保険について(療養補償・休業補償編)

1)労災とは

ビデオ:00:22

正式名称:労働者災害補償保険

労働者が仕事や通勤が原因で負傷した場合、また病気になった場合や不幸にもお亡くなりになった場合に、被災労働者やご遺族を保護するための給付等を行ったり、被災した労働者の社会復帰の促進などを目的とした保険。

労災保険は、正社員、パート、アルバイトなど雇用形態は関係なく、原則として一人でも労働者を雇っている事業場は、業種の規模、職業の種類を問わず全てに適用される。

2)労災の種類

ビデオ:01:08

業務災害

労働者が仕事を原因として負ったケガ、病気障害または死亡することを指す。
【例】
・工場内での作業中にベルトコンベヤーに挟まれて怪我をした場合
・月100時間以上の時間外労働が続きうつ病になった場合

通勤災害

労働者が所定の移動中にケガや病気を被ること、または死亡することを指す。
例)
・家と就業場所の往復や就業場所から他の就業場所への移動中に事故にあった場合
・単身赴任先と帰省先の移動中に事故にあった場合

3)労災保険の主な様式一覧

ビデオ:02:20

労災保険を申請する際に使用する主な様式は4つあり、業務災害と通勤災害で様式名が異なる。

業務災害の様式

労災指定病院・薬局を使用した場合

病院・薬局の窓口に5号様式を提出することで、窓口での支払いが不要となる。
他の労災指定病院に転院する場合は、6号様式を転院先の病院へ提出する。

労災指定病院でない病院・薬局を使用した場合

医療費を一旦全額自己負担し、その領収書を添付して7号様式を管轄の労働基準監督署に提出することで、後日自己負担した医療費が振り込まれる。

仕事を4日以上休み、賃金を受けられない場合

労災保険の休業補償の対象となる。
休業補償を請求するには、8号様式を管轄の労働基準監督署へ提出します。

※労働者死傷病報告は、令和7年1月より電子申請が原則義務化される予定

通勤災害の様式

労災指定病院・薬局を使用した場合

病院・薬局の窓口に16号の3様式を提出することで、窓口での支払いが不要となる。
他の労災指定病院に転院する場合は、16号の4様式を転院先の病院へ提出する。

労災指定病院でない病院・薬局を使用した場合

医療費を一旦全額自己負担し、その領収書を添付して16号の5(1)~16号の5(4)様式を管轄の労働基準監督署に提出することで、後日自己負担した医療費が振り込まれる。

仕事を4日以上休み、賃金を受けられない場合

労災保険の休業補償の対象となる。
休業補償を請求するには、16号の6様式を管轄の労働基準監督署へ提出します。

4)4日以上休業が続いた場合休業補償について

ビデオ:04:42

【業務災害の例】
下記の条件全てに該当する場合は、8号様式休業補償給付支給請求書を提出することで、4日目の休業から労災保険より休業補償給付が受けられる。

  • 業務災害による傷病によって療養していること
  • その療養のために働くことができないこと
  • 働けないために賃金を受けない日があること
  • 通算して3日間の待機期間を満たしていること

※最初の3日間の待機期間の休業は、会社が休業補償をする義務がある。
これは業務災害に限り、通勤災害の場合は会社が補償する必要はない。

5)待機期間中の休業補償について

ビデオ:05:47

待機期間の数え方

労災発生日が所定労働時間内の場合

所定労働時間内に病院を受診した日が労災発生日が1日目となる。

労災発生日が残業中などの所定労働時間外の場合

病院を受診したのが労災発生日の場合は、労災発生日の翌日が1日目となる。

※どの場合でも病院を受診したのが労災発生日の翌日以降の場合は、病院を受診した日が1日目となる。
※待機期間3日は連続している必要はない。

6)休業(補償)給付について

ビデオ:07:00

3日の待機期間

会社が休業補償をする義務がある。
休業補償の金額は1日につき平均賃金の6割以上。ただい、一部就労があり、賃金の支払いがあった場合は、平均賃金と支払った額の差額の6割を支給する。

※待機期間に会社の公休日が含まれている場合も補償の対象。

休業4日目以降

労災保険から給付を受けられる。
休業1日につき平均賃金の80%が支給される。

7)Q&A

ビデオ:09:23

休業補償はいつまで請求できますか?
下記の要件を満たす限り、休業4日目からその期間中支給されます。
・業務上の事由又は通勤による負傷や疾病による療養のため
・労働することができないため
・賃金をうけていない
(療養開始後1年6ヶ月経過し、その負傷又は疾病が治っておらず、傷病等級表の傷病等級に該当する程度の障害がある場合は、傷病(補償)等年金の支給に切り替わります。)
仕事にリハビリ復帰しましたが、まだ通院で仕事を休む時があります。支給対象になりますか?
仕事に復帰し始めた場合でも、通院で仕事を休んで賃金の支払いがなければ通院日も支給対象です。
会社が休みの日でも給付をもらえますか?
下記の要件を満たしていれば、会社の所定休日分も支給されます。
・業務上の事由又は通勤による負傷や疾病による療養のため
・労働することができないため
・賃金をうけていない

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