令和5年 労働基準監督署が実施した賃金不払指導の公表

先月、厚生労働省より「賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導結果(令和5年)」を公表されました。公表結果は以下の通りです。

公表された別紙をみると、使用者が賃金を支払い解決されたものの金額は、全体で92億7,506万円。
1つの事案で最大のものは2.3億円となっています。業種別では、商業、製造業、保健衛生業、接客娯楽業、建設業の順となっています。また、不払賃金額では、保健衛生業21.1億円、製造業15.5億円、建設業10億円、教育・研究業6.9億円の不払賃金がありました。

是正事例では、
①36協定が未届であったため立ち入り調査を実施したところ
・月60時間を超える時間外労働に関して法定の割増率(50%超)を下回る率で計算されていた。
・割増賃金の基礎として算入する賃金(役職手当、精勤手当等)が除外して割増賃金が計算されていた。
②過重労働による労災申請されたことにより立ち入り調査をしたところ
・システムに搭載された端数処理機能を用いて始業・終業時刻、休憩時間の「15分まるめ」
・制服着用を義務付けていたが、労働時間としていなかった
等が是正事例としてあがっています。

まとめ
過年度に比べて賃金不払に関する認識が浸透しつあり、全体的に減少傾向ではありますがまだまだ未払いが減っていない状況です。つい最近でも、労働基準監督署が調査に来られ、就業規則が長い間改定されておらず、実態と規則があっていないため、賃金不払を指摘されたケースもございます。
経営者の皆様におかれましては、まずは、自社の労働時間の実態と給与の支払われ方に齟齬がないのか確認されることをお勧めします。ご相談、ご不明点はエフピオまでご連絡ください。

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