東京都でカスハラ防止条例が可決、令和7年4月施行へ

条例の概要

 令和6年10月4日、東京都議会において、顧客による著しい迷惑行為「カスタマー・ハラスメント(カスハラ)」の防止条例が可決され、令和7年4月より施行されることが決定しました。カスハラ防止条例は全国初となり、罰則の規定はありませんが、「何人も、あらゆる場において、カスタマー・ハラスメントを行ってはならない。」と禁止規定が明記されています。

各主体の責務

 条例では、顧客だけではなく、就業者や事業者に対しても、カスハラ防止に資する行動をとることを求めており、事業主に、「就業者の安全を速やかに確保し、該当行為を行った顧客に対して行為の中止その他の措置」を行うことを努力義務として課しています。各主体ごとの責務の概要については、以下の通りです。

・都 カスタマー・ハラスメントの防止に関する情報の提供等
・顧客等 カスタマー・ハラスメントへの関心と理解を深め、就業者に対する言動に必要な注意を払うよう努める。
・就業者 カスタマー・ハラスメントへの関心と理解を深め、カスタマー・ハラスメントの防止に資する行動をとるよう努める。
・事業者 カスタマー・ハラスメントを受けた就業者の安全を確保し、顧客等に対し中止の申入れ等の措置を講ずるよう努める。

(東京都カスタマー・ハラスメント防止条例(新設))
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2024/09/11/18_01.html

カスハラ防止に関する指針の作成

 都は年内に、カスハラ防止に向けた具体的な企業の取り組みについて指針を定めるとしています。東京都以外のいくつかの都道府県においても、同様の条例を制定しようという動きがみられます。今後こうした動きは広がっていくことが予想されます。従業員の就業環境を守るという観点からも、都の発表する指針や厚生労働省のマニュアルを参考に、カスハラ防止対策を進めていきましょう。

(厚生労働省:カスタマーハラスメント対策マニュアル)
https://www.mhlw.go.jp/content/11921000/000894063.pdf

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