年金制度改正に伴う、企業が押さえておきたい重要ポイント3選

2025年5月16日、「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案」が国会に提出され、衆議院での修正を経て、同年6月13日に成立しました。

今回の改正により、加入対象者の拡大や制度の細かな見直しが行われることになります。本記事では、企業が特に知っておくべき3つのポイントに絞ってご紹介します。

1.社会保険の加入対象の拡大(2027年10月~)

社会保険の加入要件が、より分かりやすく簡素化される方向で見直されます。
具体的には、月額88,000円という収入要件が撤廃され、
現在「51人以上」となっている企業規模要件が段階的に下がっていきます。
特にパート・アルバイトなど、短時間労働者の方を多く雇用している企業にとっては、実務への影響が予想されます。

詳しくは過去記事をご参照ください:

2.厚生年金等の標準報酬月額の上限の段階的引上げ(2027年9月~)

厚生年金の保険料は、給与に応じて決まる「標準報酬月額」に基づき算出されます。
現行では上限が65万円となっており、それを超える給与を受けていても保険料は変わりません。

今回の改正では、この上限が段階的に75万円まで引き上げられることになりました。
これにより、標準報酬が75万円までの給与に対して保険料が連動するようになります。

詳しくは過去記事をご参照ください:

3.在職老齢年金制度の見直し(2026年4月~)

在職老齢年金は、働きながら年金を受け取る場合に、その収入に応じて年金額が調整される仕組みです。
現在は「月収(賞与を含む年収÷12)+月額年金」が50万円を超えると、その超過分の1/2が年金から減額されます。

2026年4月からは、この50万円の基準が62万円へ引き上げられる予定です。
これにより、働いて得た収入が多少増えても、年金の支給が減額されにくくなります。

厚生労働省 「在職老齢年金制度の見直しについて」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00022.html

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