50人未満の事業場でもストレスチェックが義務化へ
2025年5月に「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案」が正式に可決・成立しました。改正法では、現在は従業員50人以上の事業場に限られていたストレスチェック制度の義務化を、努力義務とされてきた50人未満の事業場にも拡大することが盛り込まれています。
同法の施行日は、公布(今年5月14日)から3年以内に政令で定める日とされており、2025年8月に開催された検討会資料によると、2028年に施行される見込みとなっています。
50人以下の事業場でもストレスチェック導入する背景
職場でのストレスにより、うつ病や適応障害などによる休職・離職が大きな問題となっています。厚生労働省から2024年度の「過労死等労災補償状況」が発表され、精神障害に関する労災件数が1,055件と初めて1,000件を超え過去最多を記録しており、労働者のメンタルヘルス対策の徹底が課題となっていること。また、現行では50人以上の職場に勤める人だけが制度の恩恵を受けられる状況で、小規模事業場で働く人に支援が届かないという格差を解消するために制度を拡大し、全ての労働者を対象としました。
義務化で準備すべきこと・留意点
小規模事業場にとって、新たな義務は負担に感じるかもしれません。しかし外部委託サービスや産業医との連携を上手に活用すれば、比較的スムーズに導入が可能となります。
また、国の支援として、◎実施体制・実施方法についてのマニュアル作成◎医師による面接の受け皿となる「地域産業保健センター」の体制拡充等 を講じていくことが決定しています。
<ストレスチェック制度の流れ>

厚生労働省HPより
ストレスチェック実施のメリットには、自分で気付いていないメンタルヘルスの状況を労働者自身が客観的に把握でき、ストレスへの気づきを促す効果があります。また、会社にとっては、ストレスチェックの結果をもとに労働環境改善に取り組むことで、労働者のストレスを軽減させられるとともに、会社全体の生産性向上も期待できます。
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