年次有給休暇について
【公開日:2024.4.16】
1)年次有給休暇とは
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年次有給休暇は一般的には有給と呼ばれ、休んでいても給与が減らない嬉しいお休みという認識の方も多いかもしれません。しかし、この年次有給休暇は労働基準法にしっかりと記載された重要な休暇なのです。
意外と知らない方が多いのが、業種や雇用形態に関わらず、年次有給休暇を貰える権利があるということです。条件を満たしていれば、アルバイト勤務の方にだって有給は付与される権利があります。そんな年次有給休暇ですが、裏では非常に複雑な管理が行われているのをご存知でしょうか。
2)年次有給休暇の付与条件
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まずは年次有給休暇を貰える条件についてです。年次有給休暇の付与条件は以下のたった2つで、条件を共に満たした方に年次有給休暇は付与されます。。
- 半年以上、継続して勤務していること
- 8割以上の出勤率であること
※出勤率=実際の出勤日数÷全労働日
ここで少し手こずるポイントが出勤率の算出方法です。出勤率は実際に出勤した日数を本来出勤しなければならない労働日数、つまり総暦日数から就業規則等で定めた休日を除いた日数これで割って算出します。
そのくらいなら簡単に算出できそうなのですが、ここでもまた気を付けなければならないポイントが2つあります。休日の中には、全労働日・出勤日数から除外する日と、全労働日・出勤日数として取り扱う日がそれぞれあるということです。
全労働日・出勤日数から除外する日
- 使用者の責による休業(会社都合・会社命令の休み)
- 休日労働した日
- 休職期間(業務以外)
- その他のストライキなどで労働できなかった日
全労働日・出勤日数として取り扱う日
- 年次有給休暇
- 業務上の負傷・疾病などにより療養のための休業
- 産前産後休暇
- 育児休業や介護休業
- 遅刻、早退をした日
このように、欠勤出勤日数に含ませるべきお休みの中身をしっかりと把握した上で、誤った計算をすることがないように注意しなくてはなりません。
3)年次有給休暇の付与日数
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年次有給休暇が最初に付与されるのは、先ほども説明したように入社から6ヶ月が経過した日です。
その後、初回土曜日を基準日として1年経過するごとに以下の表に記載された日数が付与されます。上の表は、通常労働者、つまりフルタイム勤務の方の年次有給休暇付与日数です。下の表は、フルタイム従業員よりも所定労働日数が少ないパートさんやアルバイトさんなどの従業員に向けた表です。この場合は比例付与といって、従業員ごとの所定労働日数に応じた数の年次有給休暇が付与されます。
通常労働者(フルタイム)
| 継続勤務年表(年) | 0.5 | 1.5 | 2.5 | 3.5 | 4.5 | 5.5 | 6.5 以上 |
| 付与日数(日) | 10 | 11 | 12 | 14 | 16 | 18 | 20 |
週所定労働日数が4日以下かつ、週所定労働時間が30時間未満(パート・アルバイト)
| 週所定 労働日数 | 1年間の 所定労働日数 | 継続勤務年数(年) | |||||||
| 0.5 | 1.5 | 2.5 | 3.5 | 4.5 | 5.5 | 6.5以上 | |||
| 付与日数(日) | 4日 | 169日~216日 | 7 | 8 | 9 | 10 | 12 | 13 | 15 |
| 3日 | 121日~168日 | 5 | 6 | 6 | 8 | 9 | 10 | 11 | |
| 2日 | 73日~120日 | 3 | 4 | 4 | 5 | 6 | 6 | 7 | |
| 1日 | 48日~72日 | 1 | 2 | 2 | 2 | 3 | 3 | 3 | |
ここでよく受けるお問い合わせとしては、途中で雇用形態が変更となった従業員についてです。あくまで付与日における雇用状態で年次有給休暇の付与日数が決まりますので、前日まで週2日勤務のパートさんであっても、付与日に通常労働者として雇用契約を結んでいれば、上の表で付与日数を決めることとなります。
4)年5日の年次有給休暇取得の義務化
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続いて、年5日の年次有給休暇取得の義務についてご紹介します。働き方改革の一環で、2019年の4月から年次有給休暇取得の義務化が始まりました。
対象者は年次有給休暇が10日以上付与される従業員になります。会社は対象の従業員に対し、面談や年次有給休暇取得の計画表などを用いて、従業員側の取得希望を聴取し、できるだけその意見を尊重し、使用時季を指定する必要があります。違反してしまった場合、罰則が科されることもありますので注意しなければなりません。
ただし、既に5日以上の年次有給休暇を使用している従業員については、追加使用や時季指定をする必要はありません。
5)年次有給休暇の管理
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非常に手間と労力を要する年次有給休暇の管理。皆様どのように管理されていますか?実際に管理に困っているお客様の声をまとめると、会社によって様々な管理方法があるようです。
- エクセルで管理している
- 手書きメモでの管理
- 従業員自身で使用や残日数を申告してもらっている
- 有給台帳で確認しているが、使い方が難しい
- 正確に管理できているのか正直不安
これらの管理方法ですと、従業員が増えた際や管理担当者が退職された後などに管理不能になってしまうケースも出てきます。
6)非常に複雑な年次有給休暇の管理
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年次有給休暇の管理は非常に複雑です。理由としては、以下の要因が挙げられます。
- 従業員ごとに年次有給休暇の条件を満たしているか、確認作業が必要となる
- 従業員ごとに付与日、付与日数が異なる
- 原則1日単位だが、会社の就業規則によっては1時間単位の取得や、半日取得も可能
- 年次有給休暇は繰り越しが可能だが、発生日から2年で時効により消滅する(労働基準法第115条)
- 年次有給休暇取得の義務化
まずは付与条件を満たしているかいないか、従業員ごとの過去の出勤簿などを確認しながら、欠勤の種類などに注意した上で出勤率を算出しなければなりません。さらに、入社日は従業員によって様々なため、付与の基準日や付与日数も異なります。その上、会社によっては1時間単位や半日単位で年次有給休暇の使用をすることも可能です。使いきれなくなった年次有給休暇は翌年に繰り越すことも可能ですが、永遠に繰り越しができるわけではなく、2年が経過すると時効により消滅します。
例えば、勤続2年半で年次有給休暇が付与されるときには、初回付与時の未消化分は消滅してしまいますので、そちらの計算も非常に手間のかかる作業です。それでいて、これらの管理業務にプラス年間5日の年次有給休暇使用を確認しなければなりません。
