年収の壁解説動画②
年収の壁・支援強化パッケージ解説
~年収の壁・支援強化パッケージ106万円の壁編~
厚生労働省から出されている「年収の壁」への当面の対応策というリーフレットをベースに解説していきます。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/zensedai_shakaihosho_kochiku/dai9/sankou1.pdf
https://www.mhlw.go.jp/stf/taiou_001_00002.html
1)年収の壁支援強化パッケージとは
ビデオ:00:27
年収の壁支援強化パッケージとは、年収106万円以上となること、年収130万円以上となることで保険に加入することになり、保険料を負担することになってきます。そのため、就業調整をする従業員様が出てくる可能性があります。
例①)年収106万円以上になった場合
厚生年金・健康保険に加入するため保険料負担を避け、就業調整をする。
例②)年収130万円以上になった場合
国民年金・国民健康保険に加入するため保険料負担を避け、就業調整をする。
このように就業調整をする従業員が出てきてしまい、困っている会社様へ対応策が年収の壁支援強化パッケージです。
企業規模(従業員様の人数規模)ごとにいつ、どの壁を気をつけなけらばならないかが変わってきます。詳細は年収の壁解説動画①~年収の壁とは?編~でご確認ください。
106万円の壁への対応
106万円の壁への対応として下記2つがあります。これらについては、被保険者の標準報酬の算定において、この手当を考慮しないということが打ち出されています。
- キャリアアップ助成金のコースを新設する
- 社会保険適応促進手当を支給する
キャリアアップ助成金コース新設
社会保険適用に処遇改善コースという新しいコースが新設される予定です。
- 新たに被用者保険を適用するとともに、労働者の収入を増加させる取組を行う事業主に対して助成
- 一事業所当たりの申請人数の上限を撤廃
- 令和7年度末までに労働者に被用者保険の適用を行った事業主が対象
- 支給申請にあたり、提出書類の簡素化など事務負担を軽減
コースには2つのメニューがあります。
1.手当等支給メニュー(手当等により収入を増加させる場合)
| 要件 | 1人当たり助成金 |
|---|---|
| ①賃金の15%以上分を労働者に追加支給 ※1 | 1年目 20万円 |
| ②賃金の15%以上分を労働者に追加支給 ※1 するとともに、3年目以降③の取組が行われること | 2年目 20万円 |
| ③賃金の18%以上を増額 ※2 させていること | 3年目 10万円 |
注意:
・助成額は中小企業の場合。大企業の場合は3/4の額。
・①②の賃金は標準報酬月額および標準賞与額、③の賃金は基本給。
・1、2年目は取組から6ヶ月ごとに支給申請。(1回あたり10万円支給)
3年目は6か月後に支給申請。
※1 一時的な手当(標準報酬月額の算定に考慮されない「社会保険適用促進手当」)による支給も可。
※2 基本給のほか、被保険者適用時に設けた一時的な手当を恒常的なものとする場合、当該手当を含む。労働時間の延長との組み合わせによる増額も可。また、2年目に前倒して③の取組(賃金の増額の場合のみ)を実施する場合、3回目の支給申請でまとめて助成。(30万円)
2.労働時間延長メニュー(労働時間延長を組み合わせる場合)
※現行の短時間労働者労働時間延長コースの拡充
労働時間の延長が4時間以上であれば労働時間を延長するのみなのですが、②~④は労働時間を延長しつつ、賃金の増額も行います。
| 週所定労働時間の延長 | 賃金の増額 | 1人当たり助成金 | |
|---|---|---|---|
| ① |
4時間以上 |
ー | 30万円 |
| ② | 3時間以上 4時間未満 |
5%以上 | |
|
③ |
2時間以上 3時間未満 |
10%以上 | |
| ④ | 1時間以上 2時間未満 |
15%以上 |
注意:
・助成額は中小企業の場合。大企業の場合は3/4の額。
・取組から6ヶ月後に支給申請。
・「賃金の増額」は基本給の増額。
社会保険適用促進手当の支給
短時間労働者への被用者保険の適用を促進するため、非適用の労働者が新たに適用となった場合に。事業主は、当該労働者の保険料負担を軽減するため、「社会保険適用促進手当」を支給することができる。
※当該手当などにより標準報酬月額・標準賞与額の15%以上分を追加支給した場合、キャリアアップ助成金の対象となりうる。
給与・賞与とは別に社会保険適用促進手当を支給すると、標準報酬月額標準賞与額の算定には考慮しないというもの。
→ 社会保険料の等級が上がらないため、社会保険の金額も上がらない
社会保険適用促進手当の要件
- 対象者:標準報酬月額が10.4万円以下の方
- 除外の上限額:新たに発生した本人負担分の保険料相当額
- 期間の上限:最大2年間
2)まとめ
ビデオ:09:37
キャリアアップ助成金をもらうということを目的としてしまうと、下記のように不満に思う従業員が出てくる可能性がかなり高いと予想できます。
- 手当をもらえる従業員とそうでない従業員が出てくると不満につながる
- 今年からキャリアアップ助成金をもらえるから、去年はなかった手当を出すことによる不満
キャリアアップ助成金導入や促進手当の導入の際には、他の従業員様との関係性もしっかりと考慮して進めていくことをおすすめします。
