えっ、月給者にも最低賃金違反ってあるの?その算定方法について
1)最低賃金が本年も大幅にアップされます。
皆様ご存じのように、毎年10月に最低賃金の見直しが行われ、本年も次のとおりの額が予定されています。
▶令和4年度 地域別最低賃金 首都圏
都道府県名 | 答申された改定額【円】 | 現行の 最低賃金 | 引上げ額【円】 | 発効予定年月日 |
千 葉 | 984 | 953 | 31 | 2022年 10月1日 |
東 京 | 1072 | 1041 | 31 | 2022年 10月1日 |
茨 城 | 911 | 879 | 32 | 2022年 10月1日 |
栃 木 | 913 | 882 | 31 | 2022年 10月1日 |
群 馬 | 895 | 865 | 30 | 2022年 10月8日 |
埼 玉 | 987 | 956 | 31 | 2022年 10月1日 |
神奈川 | 1071 | 1040 | 31 | 2022年 10月1日 |
2)そもそも最低賃金の対象となる賃金って?
月給で、毎月平均200,000円超える給与を支払っているから、まさか最低賃金違反をしていないだろうと、高をくくっている経営者の方がいらっしゃるかもしれませんが、要注意です!!
<最低賃金の対象となる賃金>は、所定内給与つまり就業規則あるいは雇用契約書で定められている所定の勤務時間の労働に対する対価をもとに計算され、次の賃金を除外したものがその対象となります。
(1) 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
(2) 1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
(3) 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
(4) 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
(5) 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
(6) 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
3)で、実際計算してみると…/月給者編
<例>1日の所定勤務時間8時間、年間休日110日 月平均所定勤務時間170時間
基本給 165,000円
皆勤手当 10,000円
定額時間外手当(45時間分) 57,905円
通勤手当 5,000円
⇒合計 237,905円
この場合、毎月必ず支払っているからといって、合計額の237,905円を平均の170時間で除した(237,905円÷170時間)結果の1,399円で、最低賃金違反かどうかを判断するのではありません。
上記の2)によって算出すると、165,000円÷170時間≒970円
となり、仮に千葉県に事業場(本店ではない!)にある場合は、令和4年10月からの最低賃金である984円を下回ることになります。
このように、月給者だからといって、まさか最低賃金違反はないだろうと意識は無くしていただき、このタイミングで自社の賃金の再点検をしてみてはいかがでしょうか?
4)ぜひお問い合わせください
上記3)では、算出しやすい簡単な例をあげて説明しましたが、
①そもそも我が社の月平均所定勤務時間は何時間になるの?
②月給者には違いないが、毎月支払う給与の中に、〇〇業務に従事した日にだけ支払う給与(「月」はなく「日」で支払う給与)がある、あるいは、毎月の営業成績に応じた業績給(毎月変動)がある…など
実際計算しようとすると、戸惑ってしまうことが多々あります。
ご不明な点がございましたら、お気軽にエフピオまでお問い合わせください。
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