ウソの申告で書類送検~有給休暇5日の義務を果たさず虚偽の申告で会社送検~
2019年4月より、10日以上の年次有給休暇が付与される従業員に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、使用者が時季を指定して取得させることが義務付けられました。
施行から3年、最近の労働基準監督署の調査で有給管理簿の提示が求められています。
5日取得ができなかった場合は、罰則が規定されていますが、実際の調査ではただちに送検・罰則となるわけではなく、是正勧告で改善を求めています。
ですが、5日取得義務を果たしていたと虚偽の書類を提出したとして書類送検された案件が発生しました。
令和4年8月16日、福岡・久留米労働基準監督署は、労働基準監督官に対し虚偽の陳述を行ったとして、建設会社を労働基準法101条(報告等)違反の疑いで福岡地検久留米支部に書類送検されました。
同社は年間5日間の年次有給休暇を取得できていない労働者が複数人いるにもかかわらず、「全員取得できている」と虚偽の内容を記載した有給休暇管理簿を提出し、記載内容に基づいて虚偽の陳述を行った疑いです。
労働基準監督署は出勤簿などから5日の取得がなかったことを確認しそうです。
割増賃金や36協定違反の是正勧告・送検はよく聞きますが、有給取得についての送検はとても珍しいです。
今回の送検は有給5日付与違反ではなく、虚偽申告のためです。労働基準監督署は、「嘘をつかれると、その後の報告が信用できなくなる。虚偽陳述は悪質と判断し司法処分せざるを得ない」としています。
いずれにせよ、有給や残業代など、労働基準法違反があったら直ちに送検というわけではなく、是正勧告→改善という流れとなります。
どんなことでもウソの申告はNGですのでご注意ください。
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