前回のニュースでテーマとしていた最低賃金について、厚生労働省は9月5日、全都道府県での地域別最低賃金の改定額の取りまとめを公表しました。

〔引用元〕令和7年度 最低賃金額答申/全ての都道府県で地域別最低賃金の答申がなされました 厚生労働省

岸田政権では、最低賃金の全国加重平均を2030年代半ばまでに1,500円に引き上げるとしていましたが、石破政権ではさらに加速し、2020年代のうちに最低賃金全国平均1,500円を目指すとしています。昨今、石破首相が退陣を表明されましたが、この流れが大きく変わることは考えにくく、毎年その都度対応するだけではなく、中長期的に賃金制度も含めて見直しが迫られています。
 また、今回は特に過去最大級の引上げ額となるため、発効時期が全国一律ではありませんので注意が必要です。

企業の対応

①現在の支払賃金を確認
 現在支払っている賃金が最低賃金を満たすかどうか確認が必要です。

・時間給制の場合
 時間給≧最低賃金額(時間額)
・日給制の場合
 日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
・月給制の場合
 月給÷1箇月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

上記から除外する手当
(1) 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
(2) 1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
(3) 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
(4) 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
(5) 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
(6) 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

②賃金の検討
 最低賃金を満たさない場合は、最低賃金を満たすよう各都道府県の発効日までに必ず雇用契約を変更する必要があります。
 それだけではなく、もともと最低賃金を満たしている人との賃金の差が小さくなるため、最低賃金を満たしている人についても昇給原資の確保も含めた賃金の見直しに迫られることになります。
 また、今後も最低賃金上昇の流れが見込まれていることから、賃金制度そのものについても見直しが必要な場合もあります。

③書面の交付
 変更後の賃金について、雇用契約書(労働条件通知書)を従業員と締結、あるいは給与変更通知書にて通知します。各都道府県の最低賃金発効日前に行うことが望ましいです。

 最低賃金の答申からの期間が短い中での対応となりますが、漏れのないよう対応していきましょう。