よつば総合法律事務所の村岡です。
今回は、債権回収の「法的手続」についてお話します。

任意の督促で回収できれば一番良いですが、先方が支払を拒絶した
場合や、応答がない場合には、法的手続を選択する必要があります。
用いられることが多い法的手続としては、①支払督促、②少額訴訟、③通常訴訟の3つが挙げられます。

①支払督促とは、債権を有する相手方に対して、裁判所を通じて正式の支払いを求める手続です。裁判とは異なり、裁判所に出頭することなく、書面のやり取りのみで進行するため、裁判よりは負担感の少ない手続です。
ただし、相手方が異議を申し立てた場合には、通常訴訟に移行することとなります。そのため、権利自体に争いがあるなど、異議が出ることが予想される事案では、最初から訴訟を提起してしまった方が良いです。

②少額訴訟とは、60万円以下の金銭を請求する場合に、原則1回の期日で解決を目指す裁判です。少額訴訟も裁判にほかなりませんが、請求額の上限がある、期日回数の上限があるといった点で、通常訴訟と違いがあります。裁判ではあるものの、通常訴訟よりはまだ負担感の少ない手続です。

③通常訴訟とは、その名の通り「通常」の裁判です。請求金額や期日回数の上限もありません。債権自体に争いがあるようなケースでは、判決までに1年~2年程度かかることもあり、負担感は大きいです。

どの手続を選択するかはケースバイケースです。弁護士が積極的に①②を選択することは多くないですが、「会社が自分で何とか回収を目指してみる」という前提であれば、負担感の少ない①②が現実的な選択肢となります。
なお、仮に上記①~③の法的手続で勝っても、回収が実現できるわけではありません。回収を実現するためには、相手方の財産を特定し、当該財産に強制執行を申し立てる必要がありますが、これも非常に大変です。
財産調査・強制執行については、次回のコラムで解説します。