2026.03.01|
弁護士解説
~諦めない!債権回収のコツその④~<よつば総合法律事務所 弁護士 村岡つばさ>
よつば総合法律事務所の村岡です。
今回は、強制執行を行う前提として必要な「財産調査」についてお話します。
支払督促や裁判で勝っても、それだけでは回収は実現できません。
勿論、債務者が任意に支払ってくれれば良いですが、支払われない場合には、相手方の財産に対して、強制執行の申立てを行う必要があります。
対象となる財産には、現金・預貯金・売掛金(債権)・不動産・車などが挙げられますが、ここで大事なのは、「債権を回収する側が、債務者の財産を調査・特定した上で、強制執行を申し立てる必要がある」という点です。
つまり、債務者の財産を特定できなければ、強制執行の申立てもできない(回収が実現できない)ことを意味します。債権回収においては、この「財産の調査・特定」のハードルが非常に高いのが実情です。
債務者の財産を調査する方法は複数ありますが、例えば預貯金に関しては、①弁護士会を経由して金融機関に照会する方法や、②情報取得手続を裁判所に申し立てる方法があります。①は弁護士しかできませんが、②は、判決文等を取得していれば、弁護士でなくとも申立て可能です。
①も②も、一定のコストがかかるのがネックです。弁護士の対応費用を別にしても、照会・調査する金融機関1行につき4000~5000円程度の手数料・実費がかかります。金融機関の「あたり」がついていればまだ良いですが、メガバンク、ゆうちょ、地銀、ネット銀行まで対象を広げると、対象は10行を優に超えます。
照会・調査の結果、預金口座がヒットし、かつ残高があればまだ良いですが、債務者の資力に問題がある場合には、預金口座はヒットしたものの、残高がほとんどないというケースも散見されます。この場合、照会・調査で掛けた費用分だけ、マイナスが増えることとなりますので、「何もしない」(損切する)方が結果としてプラスだった、ということも多いのが実情です。
次回は債権回収の最終回として、強制執行について解説します。