【弁護士解説】~契約書確認のポイント-その⑤ リスクの幅について~<よつば総合法律事務所 弁護士 村岡つばさ>
よつば総合法律事務所の村岡です。
「契約書を確認・修正する上で弁護士が重視しているポイント」につき、前回は「契約当事者間のパワーバランス」が重要というお話をしました。今回は、「リスクの幅」を話します。
自社に不利な条項であっても、そのリスクの幅が小さければ容認できます。
他方、リスクの幅が大きく、その条項が修正できないとなると、「当該リスクを抱えてまで契約をするのか」という判断が必要になります。
契約書のやり取りも「交渉」の一種なので、リスクの幅を踏まえつつ、優先順位を付けて交渉する必要があります。
例えば以下の①~③だと、どの条項が最もリスクが高いでしょうか。
※業務委託契約で、自社が仕事を受ける側とします。本店所在地は東京です。
①損害賠償:予見可能性を問わず、相手方に生じた一切の損害(逸失利益、弁護士費用を含む)を賠償する義務があると定められている。
②再委託:再委託を行うことはできないと定められている。
③管轄裁判所:相手方の本店所在地である大阪地方裁判所が、専属的合意管轄裁判所になっている。
あくまでも弁護士目線ですが、①⇒②⇒③の順で、リスクの幅が大きいです。
①は、民法よりも広範に損害賠償責任が認められる可能性があり、非常にリスクが大きいです。仕事を「受ける」側としては、できるだけ賠償責任を負う場面を減らしたいので、むしろ「損害賠償の上限」や、「軽過失免責」といった条項を設定したいところです(ただしこれは、パワーバランス次第なところがあります)。
②は、再委託を予定していなければ全く問題ありません。しかし、委託者の事前承諾を受けずに業務を一部でも再委託すると、それだけで契約違反となってしまい、契約を解除されるリスクがあります。これは大きなリスク要因ですので、元々業務の再委託を予定している場合には、その旨を契約締結時に委託者に伝えた上で、条項の修正をお願いする必要があります。
③は、現在はWEBでの裁判手続がかなり発展しており、遠方の裁判所で裁判をする負担感はかなり小さいです。リスクの幅も小さく、交渉時の優先順位も低いです。
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