【東京商工リサーチ掲載記事】家族手当の「家族」って誰のことですか?<コンサルタント 松岡藍>
みなさん、こんにちは。
社会保険労務士法人エフピオの松岡藍です。
顧問先様から「家族手当って、どの家族を対象として支給すればよいですか?」といったご質問をいただきました。
今回はこちらの「家族」について確認していきます。
家族手当とは
そもそも家族手当とは、法律上支給しなければならないと決められている手当ではありません。そのため、支給するもしないも会社次第ということになります。とはいえ、同じ家族構成にもかかわらずAさんには支給して、Bさんには支給しないという裁量で支給の有無を決定してしまっては不公平といえます。
もし、家族手当を支給しようという企業では、この不公平が生じないように、また給与計算をする際に本人にも担当者にも疑義が生じないよう誰にいくら支給するのかを明確にしておく必要があります。
家族の範囲
では、どのように家族の範囲を設定すればよいのでしょうか。
前述したように会社がきちんと定めてさえいれば特に制限はありませんが、こちらが不明確だと疑義が生じ後々のトラブルになりかねませんのでわかりやすく記載しておきましょう。
例えば、「扶養家族1名につき、家族手当5,000円を支給する」という記載ではいかがでしょうか。ここで問題になり得るのは「扶養家族」とは、という点です。「扶養家族」というと一般的に税制上の扶養親族と社会保険上の被扶養者が浮かびますが、両者はイコールではありません。そのため、少なくとも、税制上の「扶養」なのか社会保険上の「扶養」なのかは特定しておく必要があります。
社会保険上の被扶養者
現時点での社会保険上の被扶養者は下記のとおりです。
| 1.被保険者の直系尊属、配偶者(事実上婚姻関係と同様の人を含む)、子、孫、兄弟姉妹で、主として被保険者に生計を維持されている人 ※同居不要 2.被保険者と同一の世帯で主として被保険者の収入により生計を維持されている次の人 ① 被保険者の三親等以内の親族(1.に該当する人を除く) ② 被保険者の配偶者で、戸籍上婚姻の届出はしていないが事実上婚姻関係と同様の人の父母および子 ③ ②の配偶者が亡くなった後における父母および子 <収入要件> 認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満であること ※同居の場合 |
また、令和7年10月以降は、上記収入要件が変わることにも注意していきましょう。令和7年10月1日以降に扶養認定を受ける19歳以上23歳未満(配偶者を除く)の親族については、年間収入130万円から年間収入150万円へと上限額が変わります。※扶養認定日が属する年の12月31日時点の年齢が基準
割増賃金との関係
家族手当を設定する企業は、割増賃金の算定基礎から除くことができる手当として認識していることが多いといえます。しかし、ここにも落とし穴があり、家族手当という名称で支給していれば必ず割増賃金の算定基礎から除外できるというわけではありません。
厚生労働省が除外できるとして定義づけている家族手当とは、「扶養家族の人数またはこれを基礎とする家族手当額を基準として算出した手当」をいい、その例も一緒に挙げてあります。
除外できる例:扶養家族のある労働者に対し、家族の人数に応じて支給するもの
除外できない例:扶養家族の有無、家族の人数に関係なく一律に支給するもの
家族手当を設定する際にこちらも視野に入れている場合には、就業規則の定め方に留意してください。
さいごに
最近は、晩婚化、少子化や能力や配偶者から家族手当自体、無くなっている傾向ではあります。とはいえ、支給する場合には家族手当に限らず、定義を把握した上で明確に就業規則に記載して労使双方に疑義が生じないよう設定していきましょう。
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