【弁護士解説】~契約書確認のポイント-その⑥ 実際の紛争事例~<よつば総合法律事務所 弁護士 村岡つばさ>
よつば総合法律事務所の村岡です。
今回から少し視点を変えて、実際にあった、契約書に起因する「失敗事例」を解説します。
①事案の概要-「え!?もう辞めちゃうの???」
・A社は、イベントの設営や店舗の運営を受託している会社です。
・B社からA社に、「今度新たに、ショッピングモールに店舗を出店するので、店舗の運営を包括的に依頼したい」とのオファーがありました。
・両者間で条件を協議した結果、最終的には、初期費用なし、業務委託料月額80万円、契約期間を2年間とする業務委託契約が締結されました。B社が契約書を作成しましたが、A社は契約書をざっと読み、そのまま署名捺印しました。
・A社としては、毎月15万円程度の利益が見込まれるため、初期費用を設定しなくても、1年程度でイニシャルコストを回収できると考えていました。
・A社は、契約成立後、当該店舗の勤務スタッフを募集し、人員を確保しました。人材紹介業者を利用したので、100万円以上の手数料がかかりました。また、勤務スタッフの研修などで相応の時間・コストも掛けました。
・しかし、A社の業務開始から3カ月後に、B社より、「店舗の採算が合わないので、来月末で店舗を撤退する予定である。そのため、業務委託契約も来月で終了になる。」との連絡がありました。
②契約条項
・業務委託契約書の契約期間は、「本契約の契約期間は、本件業務の開始日(店舗営業開始日)から2年間とする。」と定められていました。
・しかし別の条文で、「甲及び乙は、本契約期間中であっても、1ヶ月前に相手方に通知することにより、理由を問わず、また何らの補償を要することなく、本契約を解約することができる。」との中途解約条項が設定されていました。
③どうすれば防げたのか?
結局、A社は中途解約に応じざるを得ませんでした。イニシャルコストを回収することもできず、完全に赤字案件になってしまいました。①イニシャルコストを「初期費用」として設定するか、②「契約期間中は中途解約できない。」と、中途解約を禁止する条項が設定されていれば、このような事態を防げました。
関連ブログ
顧問契約やエフピオのサービス等に関するお問い合わせは、下記よりお願いいたします。
弊社の記事の無断転載を禁じます。なお、記事内容は掲載日施行の法律・情報に基づいております。本ウェブサイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。社会保険労務士法人エフピオ/株式会社エフピオは本ウェブサイトの利用ならびに閲覧によって生じたいかなる損害にも責任を負いかねます。
- タグ:
- タグ:契約書 ,


