2026.03.19|
人事労務情報
法人役員である個人事業主等の被保険者資格の取扱いが明確化
厚生労働省は令和8年3月18日、法人の役員である個人事業主やフリーランス等に係る健康保険・厚生年金保険の被保険者資格の取扱いについて、全国健康保険協会、健康保険組合、日本年金機構に通知を発出しました。
今回の通知は、社会保険料の削減を目的に、個人事業主等を法人の役員として届け出る一方で、当該個人事業主等から会費等の名目で役員報酬を上回る額を支払わせている事業所が存在していることを背景としています。こうした事業所では、本来国民健康保険・国民年金の適用を受けるべき者が、通常より低い保険料で健康保険等の適用を受けている可能性があります。
通知では、法人の役員として被保険者資格を認めるには、(1)業務が法人の経営参画を内容とする経常的な労務提供であること、(2)報酬が業務の対価として経常的に支払われることの2点を総合的に判断するとしています。
特に個人事業主等が役員となる場合、役員報酬を上回る額の会費等を法人に支払っているケースでは、実質的に業務対価に見合った報酬を受けているとは認められず、原則として被保険者資格を有さないと判断されます。また、法人の関連法人等へ会費を支払わせている場合でも、実質的に役員となる条件となっているときは同様の扱いとなります。
業務内容についても、知識向上のためのアンケート回答や勉強会参加等の自己研さん、単なる活動報告や情報共有、事業紹介への協力依頼にとどまるものは、経常的な労務提供とは認められません。判断に当たっては、指揮命令権の有無、決裁権を有する所管業務の有無、役員間の取りまとめや代表者への報告業務の有無、定期的な会議への出席頻度等を総合的に考慮することとされています。
法人に使用されている実態がない者については健康保険等の被保険者資格を有さず、事実と異なる資格取得届出は健康保険法第48条及び厚生年金保険法第27条に反することとなります。実態がないと確認された場合は、資格喪失届の提出が求められます。
出典:厚生労働省「法人の役員である個人事業主等に係る被保険者資格の取扱いについて」(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000190457_00024.html)