国税庁より令和3年分民間給与実態統計調査の結果が公表されました
1)平均年収の推移
民間企業に勤める人(役員含む)の令和3年に支給された平均給与は、昨年の433万円(年額)から102千円(2.4%増)上回り、443万円(年額)となりました。2年連続で減少していたものが本年増加に転じました。
しかしながら平均年収のピークだった平成9年(つまり24年前)の467万円には及ばず、国内の厳しい現状を示すものとなっています。正確ではありませんが、(467万円−443万円)×5270万人(令和3年に1年通じて勤務した給与所得者)=12兆6,480億円となり、購買力(日本の総消費額)が四半世紀前と比べても歴然とした差があることに改めて感じざるを得ません。
<平均年収の推移(国税庁)>
2)令和3年平均年収
社員および社員以外の年収については、当然ながら大きな年収の差があります。ただし令和1年、令和2年と比べて差は縮まってきており(令和1年とは差が180千円縮まっている)、働き方改革のうちの【同一労働同一賃金】の効果が少し現れてきたのかもしれません。
<令和3年平均年収(国税庁)>
3)事業所規模別平均年収
これは予想のとおりですが、事業所規模が多くなるほど年収額は高く、従業員10人未満の事業所においては358万円(男性444万円、女性258万円)となっているのに対し、従業員5000人以上の事業所においては515万円(男性669万円、女性295万円)となっています。
また、年収に占める賞与の割合は、規模が大きいほど高いのが特徴的です。
<事業規模別の平均給与(国税庁)>
4)年収金額別分布図
年収300万以下の人は全体の36.2%、年収400万円以下の人は53.6%、年収500万円以下の人は68.6%となっています。ちなみに10年前の平成24年調査では、年収300万円以の人は全体の41.0%、年収400万円以下の人は59.0%、年収500万円以下の人は72.9%で、当時と比較すると若干底上げにはなっていますが、同じ傾向の結果となっています。
<給与階級別給与所得者数・構成比(国税庁)>
以上が今回の民間給与実態統計調査の結果(令和4年9月28日発表)の抜粋となります。
毎年厚生労働省からも賃金構造基本統計調査が発表され、民間企業の給与の水準を知ることはできますが、国税庁の民間給与実態統計調査からもその水準や傾向をうかがい知ることはでき、これらの調査に目を通すことで、自社給与の検討時の参考になります。
最低賃金アップや物価の高騰などで、自社の給与の見直しを考えていらっしゃる経営者ならびに人事担当者も昨今は多くなってきました。
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引用元:国税庁 https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2021/pdf/002.pdf
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