雇用維持に在籍型出向を活用!「産業雇用安定助成金」のご案内

 コロナ禍の収束がみえず、雇用情勢は厳しさを増してきています。そこで政府は、失業を抑えながら雇用の流動性を高める試みを支援し始めました。
 人手の余る企業から足りない企業へ、雇用を維持したまま出向させる「在籍型出向」、これを支援するのが「産業雇用安定助成金」です。出向元の企業にとっては、いずれ需要が戻ったときに備えて人材を確保したまま、足元の過剰雇用をしのぐなどのメリットがあります。
今回はこの「産業雇用安定助成金」についてまとめましたのでご覧ください。

産業雇用安定助成金の概要

■目的
 新型コロナウイルス感染症の影響により事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業主が、在籍型出向により労働者の雇用を維持する場合に、出向元と出向先の双方の事業主を支援します。

■対象
 雇用調整を目的とする出向(新型コロナウイルス感染症の影響により事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を図ることを目的に行う出向)が対象です。

支給要件

■出向元
・新型コロナウイルス感染症の影響により、売上が前年(又は前々年)同期と比べて、5%以上減少している。

・産業雇用安定助成金の助成対象となる出向をしようとする出向元事業所が、出向先事業主として出向者を受け入れることで、産業雇用安定助成金、雇用調整助成金(出向)又は通年雇用助成金の支給を受けていない

■出向先
・出向を実施する日の前日の6か月前の日から、出向開始時まで、出向者の受入れに際して、労働者を解雇等をさせておらず、出向期間中も同様に、解雇等をする予定はない。

・出向者を受け入れる事業所で、雇用保険被保険者の数と受け入れている派遣労働者の数が前年同期と比べて一定以上減少(※)していない。
(※中小企業:10%を超えかつ4名以上、大企業:5%を超えかつ6名以上)

・産業雇用安定助成金の助成対象となる出向をしようとする出向先事業所出向元事業主として出向者を他の事業所に送り出すことで、産業雇用安定助成金、雇用調整助成金(出向)又は通年雇用助成金の支給を受けていない。

助成率・助成額

出向運営費(出向者の賃金や教育訓練費など、出向中に要する経費の一部を助成)

■出向初期経費(就業規則や出向契約書の整備費用など、出向の成立に要する措置を行った場合定額で助成)

※出向元事業主が雇用過剰業種の企業や、生産性指標要件が一定程度悪化した企業である場合、出向先事業主が労働者を異業種から受け入れる場合について上記表の加算を行います。

受給までの流れ

助成金受給・出向時のポイント

■出向計画届の提出
 申請前に「出向計画届」を提出する必要があります。
文字通り、出向に関する計画(誰を、いつから出向させるか等)についての書面ですが、提出時に出向契約書、出向協定書などの添付も必要になります。
申請に際しては、出向開始日の前日までにこの計画届の提出が義務付けられていますが、出向元/先どちらが給与を払うか、どちらの就業規則を適用するか等、検討・確認すべき事項が多数あるため、余裕をもってご準備することをお勧めします。

■対象となる「出向」の範囲拡大
 本助成金が始まった当初は、グループ企業や子会社間など、資本的・経済的・組織的関連性などからみて「独立性が認められない事業主間の出向」については、対象外としていましたが、令和3年8月1日から一定の項目を満たせば「独立性が認められない事業主間の出向」も対象になると適用範囲が拡大しました。助成率などについては下記をご参照ください。

〔参考〕厚生労働省,令和3年7月28日「令和3年8月1日から、独立性が認められない事業主間で実施される在籍型出向も助成対象になります
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082805_00008.html#10003

この他必要書類や申請時の注意点等、申請に際しては細かなルールがございます。
雇用維持を目的に、「在籍型出向」のご活用を検討している企業様がいらっしゃいましたら、是非弊所までお問い合わせください。

〔参考〕厚生労働省,令和3年7月28日「産業雇用安定助成金リーフレット」
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000735394.pdf

お問い合わせは、下記よりお願いいたします。

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