令和3年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果が公表されました。<令和4年6月24日厚生労働省発表より>
1)「高年齢者雇用状況報告書」(ロクイチ報告)とは
厚生労働省が常時21人以上を雇用する事業所を対象に実施しているもので、
その目的は、
①高齢者雇用についての企業の姿勢と雇用状況を定期的に報告させることにより、高年齢者雇用安定法に定められた65歳までの雇用確保措置及び70歳までの就業確保措置の実施状況等を把握するとともに、
②必要に応じ各企業に対し公共職業安定所等による助言・指導等(※)を行うための基本情報の収集です。
この報告書の結果(令和3年実施分)が厚生労働省より令和4年6月24日に発表されました。
※65歳まで
「定年制の廃止」や 「定年の引上げ」、「継続雇用制度の導入」のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を、65歳まで講じるよう義務付けています。(義務)
70歳まで
令和3年4月1日からは、70歳までを対象として、「定年制の廃止」や「定 年の引上げ」、「継続雇用制度の導入」といった雇用による措置や、「業務委託契約の導入」、「社会貢献事業に従事できる制度の導入」のいずれかの措置(高年齢者就業確保措置)を講じるように努めることを義務付けています。(努力義務)
2)「高年齢者雇用状況報告書」の集計結果
1.65歳までの高年齢者雇用確保措置(義務)を実施済みの企業の状況
(1)高年齢者雇用確保措置の実施状況
ほとんどの企業で65歳までの高年齢者雇用確保措置は実施済みです。
65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業は231,402社(99.7%)
★企業規模別
大企業(301人以上規模) 99.9%
中小企業(21人以上300人規模) 99.7%
(2)高年齢者雇用確保措置の実施内容
措置の内容を見ると、継続雇用制度(再雇用制度を利用した継続雇用)の導入が70%を超えており、企業規模を大きくなるほどその割合が高くなっています。代替労働者の確保が困難な中小企業ほど高年齢者の活用を積極的に行っている現状を物語っています。
★実施内容/全企業
①継続雇用制度の導入 71.9%
②定年の引き上げ 24.1%
③定年制の廃止 4.0%
★企業規模別
・301人以上
① 継続雇用制度 85.0%
② 定年の引き上げ 14.4%
③ 定年制の廃止 0.6%
・31人~300人
① 継続雇用制度 73.0%
② 定年の引き上げ 23.7%
③ 定年制の廃止 3.3%
・21人~30人
① 継続雇用制度 65.2%
② 定年の引き上げ 28.1%
③ 定年制の廃止 6.7%
2.70 歳までの高年齢者就業確保措置の実施状況
70歳までの高年齢者就業確保措置を実施済みの企業は25.6%で、中小企業では26.2%、大企業 で17.8%でした。現段階では努力義務ということもあり、導入の割合は決して高いとは言えません。なお、この就業確保措置の実施内容は次のとおりです。
①定年制の廃止 4.0%
②定年の引き上げ 1.9%
③継続雇用制度の導入 19.7%
④創業支援措置等の導入 0.1%
3)これからの高年齢者雇用
人材確保難であるうえに、今後の人口構成を考えれば、当然に高年齢者の活用はあらゆる企業が取り組むべき課題となります。そのときに、高年齢者を含めた企業全体の賃金制度や退職金制度等にも目を向けなければなりません。
エフピオでは数多くのコンサル事例を有し、高齢者の活用のみならず、企業が直面する多様な人材の活用、多様な勤務形態などについても、積極的な提案を行っております。
ぜひ、お気軽にご相談ください。
<参考情報>厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26246.html
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