いわゆる失業給付(基本手当)を受給する雇用保険の一般被保険者は、離職理由によって一般受給資格者、特定受給資格者および特定理由離職者に分類されます。

今回はこの内「特定理由離職者」になる範囲が拡がったという改正になります。

■特定受給資格者及び特定理由離職者とは

特定受給資格者とは、倒産・解雇等の理由により再就職の準備をする時間的余裕がなく離職を余儀なくされた者。
特定理由離職者とは、特定受給資格者以外のものであって、期間の定めのある労働契約が更新されなかったことその他やむを得ない理由により離職した者。

■特定理由離職者に認定されると

特定理由離職者の場合、例えば離職理由が自己都合という一般受給資格者と比べて失業給付が手厚いことが特徴です。主に手厚い点は3つあります。

1つ目は、給付制限期間がないことです。

失業給付は、7日間の待期期間(こちらはどの分類でもあります)を経て3か月後もしくは2か月後から給付されるのですが、この3か月もしくは2か月という期間が給付制限期間です。特定理由離職者はこれがありませんので、待期期間後すぐに失業給付が支給されます。

2つ目は、受給資格を得るための期間が短いことです。

通常は被保険者期間が12か月以上(離職以前2年間)必要なところ、特定理由離職者は6ヶ月以上(離職以前1年間)で足ります。

3つ目は、所定給付日数が長くなることがあります。

一部特定理由離職者の
基本手当の所定給付日数
被保険者であった期間
1年未満1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
区分30歳未満90日90日120日180日
30歳以上35歳未満120日180日210日240日
35歳以上45歳未満150日240日270日
45歳以上60歳未満180日240日270日330日
60歳以上65歳未満150日180日210日240日

※詳細はhttps://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_benefitdays.html

■特定理由離職者に該当する範囲

どのような事由があれば特定理由離職者に該当しうるかといいますと、大きく分けて2つの事由が定められています。

① 期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことにより離職した者(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかった場合に限る。)※「特定受給資格者の範囲」に該当する場合を除く

② 正当な理由のある自己都合により離職した者

上記②の「正当な理由のある自己都合」には、病気やケガなどといったやむを得ない事情が挙げられますが、この「正当な理由」について、今回追加がなされました。

追加された項目は、配偶者から身体に対する暴力またはこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動を受け、加害配偶者との同居を避けるため住所又は居所を移転したことにより離職した方です。

この配偶者には事実婚状態も含まれ、より被害を受けている被保険者を保護できるよう整備していることがうかがえます。

https://jsite.mhlw.go.jp/gifu-roudoukyoku/content/contents/001435510.pdf

ただ、上記のように特定理由離職者になるといくつか手厚い面があるため容易に認められるわけではなく、離職票作成時に証拠となる添付書類が求められますのでご注意ください。

特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準