2022.10.03|
弁護士解説
~労災事故発生時の会社の注意点-その④~<よつば総合法律事務所 弁護士村岡つばさ>
前回まで、3回に亘り、労災事故発生時の会社の注意点についてお話させていただきましたが、今回は最終回として、労災の民事賠償上の注意点を説明します。
⓪はじめに
労災の民事賠償の場面ですと、労働者側にも弁護士が就いているケースが多いです。
この段階では、概ね以下の①~④を検討することとなりますが、検討内容によって労働者への回答や行うべき対応も大きく異なりますので、必ず一度、弁護士に相談されることをお勧めします。
①そもそも労災に当たるか
・労基署が労災に当たると判断しているケース(労災認定が出ているケース)では、仮に裁判になった場合でも、同様に労災と判断されてしまうことがほとんどです。
・とはいえ、ハラスメント事案や過労死事案では、労基署の認定自体がざっくりとしたものであることも一定程度あり、労災該当性自体を争うべき事案も一定数あります。
②安全配慮義務違反があるか
・労災認定=会社に賠償責任が生じるわけではありませんが、業務災害が認定されているケースで、会社の安全配慮義務違反が否定されるケースは多くはありません。会社の具体的な関与度合いや事故の発生状況等も踏まえ、主張を検討することとなります。
③労働者の過失がどの程度あるか
・これは、「会社が責任を負うとしても、労働者にも責任(過失)があるから、損害を減額すべき」という主張です。労災の態様(過労死、機械・設備に起因する事故、転落等)によって主張すべき事項・考慮される事項は大きく異なります。
④請求内容が妥当か
・そもそも計算自体が間違っていたり、過剰な請求がなされていたり、労災保険からの既払金が計上されていない等、請求内容自体が妥当でないケースも散見されます。また、治療期間・休業期間が長すぎるとして、治療・休業の相当性を争うべきケースもあります。