今回は「ハラスメント」について、ここ最近の労働紛争の雑感をお話して いきます。

■「ハラスメント」の相談は依然として多いが…

昨今の社会情勢や報道もあり、「ハラスメント」に対する社会の目線は非常に厳しくなっています。その影響か、「分かりやすいハラスメント」は減少傾向にある印象は受けておりますが、依然としてハラスメントの相談は多いです。

ただ、「ハラスメント」の意味を正確に理解していない(これは仕方のない部分があります)など、「ハラスメント」という単語が先行し過ぎている印象も一方で受けています。

ハラスメントと言われるのを過度に恐れて、注意指導ができなくなってしまったケースも目にしており、「どのような行為がハラスメントに該当するのか」といった点につき、研修・啓発活動を行う重要性を日々感じております。

■ハラスメント×●●の請求が多い

ハラスメントの事案単体で、労働者側に弁護士が就くケースは、実はそれほど多くありません。理由としては、ハラスメントの事案の慰謝料水準が非常に低いことが挙げられます。背後に酷い暴言等があった場合でも、「慰謝料」だけで見ると、10万円にも満たないケースがあります(勿論、心身の不調の程度等の個別事情にはよります。)。

労働者側に弁護士が就くケースだと、「ハラスメント×労災」「ハラスメント×残業代」というように、他の請求と併せて、ハラスメントの主張がなされるケースが多いです。

■パワハラ防止法に対応できていない企業が多い

パワハラ防止法の改正により、2020年6月からは、企業規模に関わらず、パワーハラスメントに対応する「法的義務」が課されています。ただ、実際には、中々対応できていない企業が多いのが実情です。必要な対応としては、

・相談窓口の設置

・会社としてのハラスメントの方針策定・周知(トップメッセージ、社内規程の整備など)

・教育・啓発活動(研修の実施など)

が挙げられますが、窓口担当者の人選を含め、ダントツで一番大変なのは、相談窓口の設置です。