「従業員が鬱病になってしまい、長期療養が必要になってしまった」など、雇用主として休職を検討する場面も多くあります。
この休職対応は非常に難しく、弁護士でも対応に悩むことがあります。
今回から複数回に亘り、従業員を休職させる際の注意点をお話します。

■そもそも「休職」とは?

「休職」とは、労働者が業務外の理由で一定期間働くことができなくなった場合に、仕事を休むことを会社が許容することを意味します。
「業務の理由で」というのがポイントです。仕事に関係なく労働者がうつ病になってしまった場合や、何かしらの病気にかかってしまった場合、交通事故に遭ってしまった場合などが、この休職の問題となります。他方、これが「業務」によるものであれば、労災となります。両者を明確に区別するために、私傷病休職ということもあります。
 実はこの「休職」は、法律上、明確に定義されているわけではなく、「会社は労働者に対し、休職を与えなければならない」という法律もありません。

■休職を考える場面でまず確認すること

 1にも2にも「就業規則」を確認してください。休職の出発点は就業規則です。
 上で見た通り、そもそも「休職」は法律上の制度ではなく、そもそも休職制度を設けるか、どのような休職制度を設けるかは各社に委ねられています。そのため、まずは自社が休職制度を設けているか、設けているとしてどのような制度になっているかを確認する必要があります。この確認のために、まずは就業規則を見る必要があります。

 たとえば就業規則で、「連続して30日間欠勤した場合には、休職を命じることができる。」という内容になっているとします。この場合、「30日間の連続欠勤」がなければ、そもそも休職を命じることすら難しくなります。また、「休職期間は3ヶ月間とする」との記載があるのに、そもそも休職を与えない場合や、3ヶ月より短い休職期間とするのは、就業規則に違反し、無効と判断される可能性が高く、注意が必要です。

 次回からは、実際に休職を進める際の流れや注意点についてお話していきますが、まずは一度、自社の就業規則の休職の条文を確認してみることをお勧めします。