ここ1~2年ほど、「従業員が退職代行を使っていきなり会社に来なくなった!」など、退職代行に関するご相談をいただくことが非常に増えました。

今回は、退職代行に関する問題についてお話します。

①そもそも退職代行とは?

労働者本人に代わって会社に退職の意思を伝えることを指します。

②なぜ退職代行が流行っているのか

「会社に退職の意思を伝えたけど辞めさせてもらえない」「社長や上司が怖くて退職を切り出せない」という労働者が退職代行を活用するケースが多いと聞きますが、あくまでも私の目線ですが、会社の問題というよりは、労働者本人の性格(大事なことを切り出せない等)が大きい印象を受けます。

「自分で言えば良いのに…」というケースも多いです。


民間の業者で退職代行サービスを提供している会社もあれば、退職代行をリーガルサービスとして提供している弁護士事務所もあります。

特に後者の場合、退職の話だけでなく、在職期間中の残業代請求等も同時に行われることがあるので、注意が必要です。

③退職代行から通知が来た場合の対応

基本的には、「退職に応じざるを得ない」ことがほとんどです。

ただ、弁護士事務所ではなく、民間の業者からの通知の場合には、「本人が本当に依頼をしたのか」を確認する必要があります(本人が作成した退職届を提出してもらう方法でも良いです)。

また、民間の業者の場合、退職の意思を会社に「伝える」ことや、有給休暇の意思を会社に「伝える」ことはできますが、弁護士でない以上、交渉することはできません。

そのため、金銭的な要求等を行ってくる場合には、「そのような交渉権限はない」と回答すべきです。


なお、引継ぎをせずに即時に退職することが認められるか(場合によっては損害賠償)等、会社としては種々主張したい部分もありますが、民法上は、2週間の予告を経れば、労働者は退職できる(正社員の場合)と規定されており、これより長い退職の予告期間を就業規則で定めても民法の2週間が優先すると考えられています。

また、退職時の有給休暇の一斉利用も法的には認められており、会社にとっては厳しいですが、「明日から会社に行かない。●月●日で退職する。残りは有給休暇を使う。」という対応も、法的には問題ないこととなります。