【東京商工リサーチ掲載記事】マイナンバーカードの健康保険証 利用されてますか?<社会保険労務士 伊藤美由起>
2023年6月に成立したマイナンバー法等の改正により、現行の健康保険証は2024年12月2日をもって廃止され、マイナンバーカードと一体にしたマイナ保険証に移行すると政府より発表されました。
■マイナ保険証とは
マイナンバーカードに健康保険証機能を持たせたものですが、医療機関で現行の保険証を提示する代わりに受付に設置されたカードリーダにマイナ保険証をかざし顔認証で受付ができます。
■マイナンバーカードを健康保険証として利用するには
まずはマイナンバーカードと健康保険証を紐づけする必要があります。
事前準備として、マイナンバーカード、4桁の利用者証明用パスワード(マイナンバー交付時に設定した番号)をご用意ください。
手続の流れ(スマートフォンで手続する場合)
1.マイナポータルアプリを起動する
2.マイナンバーカードの健康保険証利用申込をタップする
3.利用規約などを確認し案内に従って進む
4.4桁の利用者証明用パスワードを入力し、スマートフォンでマイナンバーカードを読取って完了
※詳しくは
厚生労働省HP内「マイナンバーカードの健康保険証利用について」をご参照下さい。
■マイナンバーカードを健康保険証として利用するメリット
●データに基づく診療・薬の処方が受けられます。
本人同意のもと、初めての医療機関でも過去の薬や特定健診等のデータが自動で連携されるため、口頭で説明する必要がなく、旅行先や災害時でも過去の診療情報に基づいた総合的な診断や適切な薬の処方を受けることができます。
●就職・転職・引っ越し後も健康保険証として利用ができます。
現行の健康保険者証は、就職や転職時に取得手続きを行い、新しい健康保険証が届くまで待つ必要がありましたが、マイナ保健証の場合、保険者(協会けんぽや健康保険組合、自治体等)への手続が済んでいれば、新しい健康保険証の到着を待たずに、医療機関・薬局で健康保険証としてご利用できます。
国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入している方は、定期的な被保険者証の更新が不要になり、高年齢受給者証の持参も不要になります。
●医療費控除の確定申告が簡単になります。
マイナポータルから保険医療を受けた記録が参照できるため、領収証を保管・提出する必要がなく、簡単に医療費控除の申請手続きができます。
■マイナンバーカードを健康保険証として利用するデメリット
●マイナ保険証を利用できる医療機関・薬局が増えましたが、まだ100%ではないためマイナ保険証がご 利用できない可能性もあります。その場合現行の健康保険証が無ければ保険資格の確認が取れない為、一時的に自己負担となる場合もあります。
※詳しくは
厚生労働省HP内「マイナンバーカードの健康保険証利用対応の医療機関・薬局についてのお知らせ」をご参照下さい。
● システムの不具合が発生した場合利用できない場合があります。
マイナ保険証はシステムで管理をしているため、通信トラブルなどの不具合が生じた場合に利用することができません。その場合、現行の健康保険証での資格確認を行うことになり、無ければ保険資格の確認が取れない為、一時的に自己負担となる場合もあります。
■2024年12月2日にマイナンバーカードの改正法が施行された時点では、現行の保険証を
その後1年間は使用(2025年12月1日)できますので、移行期間中に双方のメリット・デメリットを認識したうえでご自身のスタイルに合わせて上手に活用して下さい。
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