】『社員研修の目的と企画・導入』について<社会保険労務士 廣瀬潤>

毎年春になると新卒で入社した際に受けた新入社員研修を思い出します。約1か月間、研修所にて会社のそれぞれの部門や、働く上でのルール(就業規則や労働条件の説明)、給与の支払われ方や、福利厚生制度、その他ビジネスマナーや他者とのコミュニケーション方法等を座学やロールプレイングを交え受けたことを思い出します。
その頃は、まだ学生気分が抜けずお世辞にもまじめに受けていたと胸を張って言えませんが、今思えばあの頃まじめに受けていれば・・・。と思うことが多々あります。
そこで、今回は「研修の目的と企画・導入」についてお話してみます。

社員研修の目的とは

社員研修とは、その名の通り社員に向けて実施される研修のことを指します。研修の目的は人材育成です。企業の業績を向上させ目標を達成するためには社員ひとり一人の貢献が欠かせません。社員の業務に対する能力や技術を研修を行うことにより向上させ、業務改善に役立てることが研修の目的の1つです。また、社員側にも自身のスキルアップにより今後の職業におけるキャリアアップの実現に繋がるため、企業・社員双方にとって研修は人材育成にとって効果的なものとなっています。

企業を取り巻くビジネス環境が大きく変化するなか、企業側の指示に従う社員のみしかいない状況では、労働者の頭数は確保できても、企業成長が期待し辛くなってきています。そのため自ら考え行動し企業の成長に貢献できる人材を育成することが重要となっています。このような人材を育成するため、研修の目的は未来への投資ということも言えます。

社員研修の種類と対象者別研修

研修には主に3つの開催方法があります。
1.OJT研修(職場内研修):新入社員や初めて業務を行う社員向け研修
2.OFF‐JT研修(職場外研修):職場外で研修やセミナーを受ける研修
3.オンライン研修:Web会議ツールを用いてPC上で受講する研修

社員研修には、階層(役職)に合わせた研修があります。
1.新人・若手向けの研修
 新卒や職業経験が浅い人向け、ビジネスマナーやビジネスマインドを身に付ける研修
2.中堅社員向けの研修
 入社3~4年目以降向け、指導能力やリーダに必要な素養を身に付ける研修
3.管理職向けの研修
 社員の管理や指導、マネジメントスキルの向上を目的とした研修

これ以外にも、近年の労働力不足から社員のモチベーション向上や生産性向上を目的とした研修、社員をサポートするためコーチングを行う人材を育成するコーチング研修など、人を育成するためのスキルを身に付けることを目的とした研修も増えてきています。

研修の企画・導入にあたって

研修の企画・導入に当たっては、日頃業務を行っている際に感じる課題や社員のニーズを抽出し、企業や社員のあるべき姿を明確にして、研修の対象者と目標を定めましょう。理想的な状態になるために、足りないものはなんなのか(知識なのか、技能なのか)を分析します。問題が起こったからこの研修を行うといった、場当たり的な研修を企画するのではなく、事業戦略や育成計画に沿った研修を企画・導入することが重要です。
また、研修の企画・導入を検討する際に合わせて、教育を計画的に管理し育成する戦略的な人材育成を行うため、自社で実施する教育の位置づけを示した見取り図(教育体系)を合わせて作成することをお勧めします。

まとめ

社員研修は、企業が成長するために必要な人材育成の重要な役割を担っています。研修を企画・導入する際は、研修の目的を明確にすることが重要です。社員にどのような知識や技能を身に付けて欲しいのかを明確にすることで研修の効果がより高いものになるかが決定します。弊社においても、新入社員研修から階層別研修、その他人材育成のための研修を行っています。お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いている人 
-Writer-

廣瀬潤

社会保険労務士

【略歴】昭和56年生まれ、父の仕事の関係で子供のころはあっちこっちに住んでいました。
神奈川大学卒業後、食品スーパーの総菜部門で1年半店舗勤務後、人事部門へ異動となり人事人生がスタート。
その後、建設コンサルタントや洋服の副資材を扱う会社に勤務後、社会保険労務士法人エフピオにどうしても入社したくなり入社。
埼玉から千葉を毎日通勤しています。座右の銘は、『走りながら考える』です。

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