令和4年3月の本記事にて、マイナンバーカードを利用しての運転免許証更新について触れました。

今回は、このマイナンバーカードを利用することで、傷病手当金や出産手当金の申請書に記載する、銀行口座情報の記載が不要になる!?というニュースをお伝えします。

マイナポイント第2弾ということで、①マイナンバーカードの新規取得、②健康保険証としての利用申し込み③公金受取口座の登録で最大20,000円分のマイナポイントがもらえます!というキャンペーンが各所で行われており、最近マイナンバーの作成や登録をされた方も多いかもしれません。

この中の③公金受取口座の登録が本日のニュースの主役です。

デジタル庁HPより引用

公金受取口座登録制度とは?

一人一口座を、給付金等の受け取りのための口座として、国(デジタル庁)に任意で登録する制度のことです。

預貯金口座の情報をマイナンバーとともに紐づけて、事前に国に登録しておくことにより、今後の緊急時の給付金等の申請において、申請者への口座情報の記載や通帳の写し等の添付、行政機関における口座情報の確認作業等が不要になります。

公金受取口座登録制度を利用することにより何が変わるの?

プライベートの病気やケガで4日以上のお休みが発生した際に、申請するのが傷病手当金です。

また、産前産後の期間、お仕事をお休みしている間に申請することがあるのが出産手当金です。

これら保険給付と呼ばれる書類に必ずといっていいほど記載しなければいけないのが、給付を受けるための銀行口座です。

この公金受取口座登録制度により、申請の都度、口座情報を記載する必要がなくなる、というものになります。

対象となる保険給付は、傷病手当金や出産手当金だけでなく、「被保険者等が申請する健康保険法第 52 条又は第 127 条の保険給付(※1)及び船員保険法第 29 条又は第 30 条の保険給付(※2)並びに任意継続被保険者及び疾病任意継続被保険者の保険料の還付が対象となる」とされておりますので、通常の人事労務で触れる健康保険の給付申請の手続き上で、銀行口座を記載する書類の多くが対象となってくる、というイメージです。

(※1)健康保険法第六十三条第一項に規定する療養の給付を除く。

(※2)雇用保険法等の一部を改正する法律(平成十九年法律第三十号)附則

第三十九条の規定によりなお従前の例によるものとされた同法第四条の規定による改正前の船員保険法による保険給付の支給を含む。 船員保険法第五十三条第一項に規定する療養の給付を除く。

たとえば、健康保険法第52条にある保険給付とは下記のものになります。

第五十二条 被保険者に係るこの法律による保険給付は、次のとおりとする。

一 療養の給付並びに入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費及び移送費の支給

 二 傷病手当金の支給

 三 埋葬料の支給

 四 出産育児一時金の支給

 五 出産手当金の支給

 六 家族療養費、家族訪問看護療養費及び家族移送費の支給

 七 家族埋葬料の支給

 八 家族出産育児一時金の支給

 九 高額療養費及び高額介護合算療養費の支給

この公金受取口座を活用した健康保険法等の運用は、令和4年10月からの開始が予定されていますので、申請用紙の変更等が順次行われていく予定です。

健康保険だけでなく、雇用保険や労災保険でも同様の変更が行われます。

健康保険の傷病手当金を一例にご説明しましたが、公金受取口座を活用した、同様の変更は、雇用保険法における給付金の受け取りにおいても、労災保険法の保険給付の受け取りについても、令和4年10月1日からの施行が予定されています。

順次、申請書および請求書の様式変更が行われていく予定です。

人事労務担当の窓口の方は、10月1日からの対応として、育児介護休業法の改正や、改正道路交通法施行規則(アルコールチェック)など、実は忙しい季節になりますが、今回の公金受取口座の活用による書式・様式の変更も頭の片隅に入れておいていただけると、慌てずスムーズに対応ができると考えます。

雇用保険手続における公金受取口座の取扱いの開始について より引用
第105回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会資料
【資料2】公的給付の支給等の迅速かつ確実な実施のための預貯金口座の登録等に関する法律の一部の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令案(仮称)要綱等
より引用