特定技能・育成就労
特定技能、4分野追加 即戦力外国人材最大82万人の見込み
人手不足の分野で外国人労働者を中長期的に受け入れる特定技能制度の対象にバスやトラック運転手などの自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4分野を追加するとした案を自民党に示し、政府方針を了承しました。専門の技能があると認められた外国人に与えられる特定技能1号は、最長5年滞在できる在留資格で対象分野が、今の12分野から16分野に拡大。特定技能全体の受け入れ見込み数は2024年度からの5年間で最大82万人と見込まれており、19~23年度の見込み数の2倍超になる見込みです。
人口減少を背景にさまざまな産業で人手不足が深刻化しており、外国人労働者を担い手として受け入れる狙いがある模様です。政府は月内に方針を閣議決定し、パブリックコメント(意見公募)を経て開始します。
自動車運送業はバスやタクシー、トラックの運転手が対象。国土交通省の「運転者職場環境良好度認証制度」で一定基準を満たした事業者のみ、特定技能での受け入れを可能としました。トラックでは、運転手の時間外労働に年960時間の上限が設けられ、物流が停滞する「2024年問題」が指摘されており、解消につなげたい考えです。鉄道では運転士や車掌などを想定しており、コミュニケーションや安全管理の能力が求められることから、ほかの分野より高い日本語のスキルなどを条件としています。
外国人材新制度「育成就労」法案決定 2027年にも開始
政府は、技能実習に代わる外国人材育成とともに人材確保を目的とする新たな在留資格「育成就労」を新設。創設に向けた技能実習適正化法と入管難民法の改正案を閣議決定しました。今国会に提出し、成立すれば2027年にも新制度が始まります。外国人材を即戦力と位置付ける特定技能と対象分野をそろえて移行しやすくし、中長期的な就労を促す見込みです。
施行前までに技能実習の資格で入国した外国人は経過措置として最大3年間までの在留を認めます。技能実習は、発展途上国に技術を伝える国際貢献をうたいながら、実態は労働力の確保手段として利用されました。賃金未払いや暴力・ハラスメントが一部で起き、失踪者も続出しました。こうした問題を踏まえ、育成就労は、目的を「外国人材の育成・確保」と明記。技能実習では原則禁止されていた、同じ業務分野で職場を変える「転籍」も認める方針です。一つの職場で1年を超えて働き、一定の技能や日本語能力を条件としました。地方から賃金の高い都市部へ人材が流出するとの懸念に配慮し、当面の間は分野ごとに最長2年まで転籍を制限できるとしました。期間終了後は一定の技能が必要な「特定技能1号」の在留資格を取得するなどしてもらう考えです。
外国人に選ばれる国なるために
わざわざ日本でしか使えない日本語を学んで、大金を稼げる憧れの国でもない日本で働こうと思い、来てくれている外国人の方々。自分の能力を高めることを目的としている方が多くいます。どうしたら長く働いてくれるのか、考えると企業の努力は不可欠です。日本人が働いて働きにくい環境では、外国人も働きません。
日本人も働きやすい環境を作っていくなど長期的な視点で会社を構築していく必要があります。
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