│先取り!令和6年4月1日改正│ 「労働条件の明示」ルールが変わります

▮ 概要

令和6年4月1日以後に締結又は更新する雇用契約より、労働条件の明示ルールが変わります。これは主に短時間労働者や有期雇用労働者に対して、同一労働同一賃金の法的保護を強化すること、有期雇用労働者の無期雇用化を進めることを目的とした政策と考えれています。 企業様におかれましては、現行の必須明示事項に以下に掲げる4つの事項が追加されます。改正日以降は、雇用契約書(または労働条件通知書)の記載事項を追加する必要がありますので、ご注意ください。https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001080267.pdf

厚生労働省のモデル労働条件通知書↓

https://fpeo.co.jp/wp-content/uploads/2023/08/47c8ce0ba8f39195aed97127c56bf856.pdf

▮ 具体的な改正内容

1.就業場所・業務の変更の範囲の明示                            ※すべての労働契約が対象

全ての労働契約の締結と有期労働契約の更新のタイミングごとに、「雇い入れ直後」の就業場所・業務の内容に加え、これらの「変更の範囲」についても明示が必要となります。

2.更新上限の明示                                                            ※有期雇用契約のみが対象

更新上限(有期労働契約の通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容の明示が必要となります。例えば、有期契約社員は最長3年しか雇用できないルールであれば、その旨を明示(記載)しなければなりません。

3.無期転換申込機会、転換後の労働条件の明示              ※有期雇用契約のみが対象

「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごとに、無期転換を申し込むことができる旨(無期転換申込機会)の明示が必要となります。例えば、有期契約社員が次の契約期間中に勤続5年を超える場合に、次の雇用契約書等において、無期転換申込が可能な旨と、無期転換後の労働条件を明示しなければなりません。

▮ 補足

2の更新上限の明示ルールについては、さらに注意がありますので補足いたします。

令和6年4月1日以降に更新上限ルールを新設または短縮変更する場合、従業員ごとに個別説明を行うことも義務付けられます。

少し早めに法改正のご案内をさせて頂いたのは、これから令和6年4月1日をまたぐ契約更新をする場合は、今後、更新上限ルールの新設または短縮変更の際にもれなく上記説明が発生するため、その説明対応にかかる時間も見積もっていただかなくてはならないためです。無理に更新上限ルールを導入する必要はありませんが、新設や変更をご検討の企業様に置かれましては、契約更新のタイミングに気を付けてご検討いただければと思います。

ご不明点やご相談がございましたらご一報いただければ幸いです。

▮ セミナーのご案内

こちらの内容について、セミナーを開催いたします!詳細は下記リンクよりご確認ください。

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この記事を書いている人 
-Writer-

小山健二

特定社会保険労務士

【略歴】昭和51年生まれ、東京都出身。駒澤大学文学部社会学科卒業。 専門商社、人材サービス業を経て社会保険労務士法人で勤務し、令和4年にエフピオへ入社。

人事労務のみならず、経営企画、仕入、営業部門での多様な経験から、全体最適の視点で業務遂行を心がけています。事業会社、専門家双方でM&Aプロセス、DD実務経験がある。

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タグ:
労働条件明示 , 同一労働同一賃金 , 有期雇用 , 法改正 ,
   

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