【東京商工リサーチ掲載記事】2023年の春到来までもうすぐ、新年度4月になる前に準備を。障害者雇用納付金 電子申告申請システムが令和5年度申告申請から新しくなります<社会保険労務士 津田千尋>
このコラムが発行される頃、卒業シーズンそして入学のシーズンですね。4月の足音が近づいているであろう頃、社会保険労務士事務所に勤務する筆者が、この時期になると、いつもソワソワ、神経をとがらせてしまう申告、障害者雇用納付金の申告について、今回は記載したいと思います。
障害者雇用納付金制度について
4月の新年度開始、新入社員の加入のバタバタした時期をなんとか乗り切って、5月に突入してすぐ、表題の障害者雇用納付金制度の申請期限がやってきます。息つく暇なく、というのが本音です。常用労働者の総数が100人を超える事業主において、障害者法定雇用率(2.3%)が未達成の事業主に納付金を収めていただき、その納付金を財源として、障害者雇用調整金、報奨金、在宅就業障害者特例調整金、在宅就業障害者特例報奨金、特例給付金及び各種助成金を支給する、という制度となります。
障害者雇用納付金の徴収額については、不足している1人あたり、月額50,000円となります。年額ではなく月額50,000円ですので、1ヶ月毎に、後述の常用雇用労働者数に対して、法定雇用率に達していない(不足している)人数の算出が必要となります。
また、「人」の数え方にも注意が必要です。まず、常用雇用労働者とは、雇用契約の形式の如何を問わず、1週間の所定労働時間が20時間以上の労働者であって、1年を超えて雇用される者(見込みを含みます。)をいいます。正社員だけを数えるわけではないのです。正社員でも、パートでも、雇用契約上の名前を問わないで、週の所定労働時間で考えるのがポイントです。出向中の労働者も、海外勤務労働者も、在宅勤務者も、休職中の労働者も、労働時間・雇用契約期間の要件を満たした場合は、常用雇用労働者と数えます。また、1週間の所定労働時間が20時間未満の方については、障害者雇用納付金制度上の常用雇用労働者の範囲には含まれません。週所定労働時間が30時間以上の場合、短時間以外の常用雇用労働者とよび、1人を1カウントします。週所定労働時間が20時間以上30時間未満の場合を短時間労働者と呼んで、1人を0.5カウントします。健康保険、厚生年金で登場する短時間労働者とは、漢字は一緒でも意味が異なるので、要注意です。
続いて、雇用している障害者の総数の算出は、下記の図のとおりです。短時間か短時間以外か、重度障害か重度障害でないかに応じて、複雑にカウントが分かれます。前述のとおり、不足していれば1人当たり1ヶ月50,000円の納付金ですから、算出にはとても神経を使います。
申請には、以前の申告申請書作成支援シート(マクロ機能付きExcel)は廃止され、本年から、電子申告申請システム(WEB)上のフォームに情報を入力して、申告申請書の作成ができるようになり、便利になりました。既に、令和5年度の申請用の説明動画も出ておりますので、ぜひ、余裕があるときに対象の事業所様はご確認をお願いします。
https://www.jeed.go.jp/disability/levy_grant_system_about_procedure.html#02
障害者雇用納付金 電子申告申請システム
tps://www.nofu.jeed.go.jp/Nofu_Densi/f3/snkk/SnkkD0240/view
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