同じ職場で5年を超えて契約社員が働くと、無期限の雇用に転換!

法改正情報 平成24年8月21日(火曜日)

  雇用期間の定まった労働者を雇用している事業主様は、ご注意ください!

 同じ職場で5年を超えて働く契約社員などを対象に、本人の希望に応じて、契約期間を定めない無期限の雇用に変えることを企業に義務づける「改正労働契約法」が8月3日、成立しました。
契約期間の決まっている労働者の処遇改善と雇用の安定を図るのが狙いです。

正社員との理不尽な待遇格差の改善に道が開けた一方で、パートが戦力となっている製造業や小売業などには負担増が懸念されています。
今回の改正労働契約法について、まとめましたのでご覧ください。

※ 詳しくは浅山社会保険労務士事務所まで

施行はいつから?

労働基準法は1回の雇用契約を原則3年以内と定めていますが、何度も契約を結んだ場合の雇用ルールはこれまでありませんでした。この労働契約法改正により、契約更新を繰り返し、5年を超えて同じ職場で働いたパートや契約社員にとっては、企業から突然雇い止めされるのではという不安がなくなります。

改正法は、2013年度中に施行される見通し

ほんとうに影響がでる時期は いつ?

施行後に、パートや契約社員、派遣社員が結んだり、更新したりした契約が対象となります。
影響がでるのは、施行直後に雇われた人の勤務期間が5年を超える「2018年度」からとなるでしょう。

実際に影響がでるのは、2018年度から

この改正により 懸念されることは?

今後は、契約社員を新たに雇う際に「契約の通算期間を5年以内にする」など慎重になる懸念があります。既存の契約社員についても、人件費などのコスト増を避けるため、5年目直前での契約を打ち切る可能性もあります。

厚生労働省は、こういった企業負担に配慮し、(ほかの会社で働くなど)

会社を離れた期間が6ヵ月以上あれば5年の積み上げの対象にしない

(つまり、6か月の期間をあけると年数がリセットしてゼロになる)規定を盛り込んでいますが、まだ課題はあります。

契約社員は、全雇用者の2割強

厚生労働省の試算では、10年の雇用者5111万人のうち、雇用契約の期間が決まっている契約社員やパートは2割強にあたる1200万人。
そのうち勤続年数が5年を超える労働者は360万人に上ります。左図のとおり、この法改正の対象となる契約社員は非常に多いため、多くの企業は対応を迫られることになることが予想されます。

【参考リンク】

「有期労働契約の締結、更新および雇止めに関する基準について」


http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/12/dl/h1209-1f.pdf

「有期契約労働者の雇用管理の改善に関するガイドライン」


http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/dl/s0729-1d.pdf

お問い合わせは、下記よりお願いいたします。

弊社の記事の無断転載を禁じます。なお、記事内容は掲載日施行の法律・情報に基づいております。本ウェブサイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。社会保険労務士法人エフピオ/株式会社エフピオは本ウェブサイトの利用ならびに閲覧によって生じたいかなる損害にも責任を負いかねます。

タグ:
働き方改革 ,
 
 

関連記事

2024.11.21
2025年4月から高年齢雇用継続給付の支給率が変更となります。
2024.11.14
2025年4月から事業所が行う退避や立ち入り禁止等の措置について保護措置が義務付けられます
2024.11.07
令和6年11月1日 フリーランス・事業者間取引適正化等法が施行されました
2024.10.24
令和6年10月から教育訓練給付金が拡充されます
2024.10.17
雇用保険適用拡大 令和10年10月施行
2024.08.15
令和6年10月より児童手当金が拡充されます
2024.06.13
令和7年1月1日より『労働者死傷病報告』等の電子申請が、原則義務化されます。
2024.04.11
特定技能・育成就労
2024.03.28
令和6年4月より、雇い入れ・作業変更時の安全衛生教育の範囲が拡充されます
2024.03.14
育児介護休業法の改正案(令和7年予定)が国会に提出されました