】~休職対応の注意点-その②~<よつば総合法律事務所 弁護士 村岡つばさ>

前回から引き続き、休職対応の注意点をお話します。
今回は、休職を進める際の流れ、注意点についてです。

そもそも休職を命じることができる場面か(就業規則の確認)

 前回のコラムの確認です。例えば、就業規則で、「連続して30日間欠勤した場合には、休職を命じることができる。」という規定がある場合、30日間欠勤が継続する前に休職を命じることは原則としてできないので、注意が必要です。なお、そもそも就業規則がない場合や、就業規則上、休職規定がない場合の対応は非常に難しいため、専門家(社労士、弁護士)に相談しながら慎重に対応を検討してください。

診断書の提出

 「医学的に見て就労ができない状態」でないと、休職を命じるにしても、いつからいつまで休職を命じれば良いのかが分かりません。そのため、休職を命じる場合には、前提として、一定期間休職が必要な旨が記載された診断書の提出が通常必要となります。会社としては、診断書に記載された休職期間を参考に、休職を命じることとなります。

継続就労の意向確認

 休職は、休職期間経過後に復職できる見込みがあることを前提としたものですので、「そもそも本人が退職意向を有している」にもかかわらず、休職を付与するのはいささかおかしな話となります。そのため、実際に休職命令を発令する前に、本人の今後の継続就労の意向を確認することをお勧めしております。正面から「継続就労の意向があるか」を確認するのは中々難しい場合もあるため、本人の継続就労や休職等の意向を確認する書面(意向確認書)を、休職前に交付するのが良いです。なお、仮に退職意向が出た場合には、退職届を提出してもらうか、退職合意書の取り交わしを行ってください。

休職命令書又は休職通知書の交付

 就業規則上、「休職を命じる」と規定されている場合、会社が休職を命じないと、いつまでたっても休職が(事実上)始まらない、といった事態に陥りかねません。本人に休職期間を明示し、また休職時の注意事項を認識してもらうためにも、休職開始時には必ず書面(休職命令書又は休職通知書)を交付するようにしましょう。

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村岡つばさ

よつば総合法律事務所 企業法務部門責任者・弁護士

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【略歴】早稲田大学法学部・慶應義塾大学法科大学院卒業
千葉では珍しく「企業法務案件」のみを扱う弁護士。
会社側の労働案件が専門分野。
社労士会、税理士会、弁護士会等各種団体で研修・セミナー講師を多数担当。
税理士法人レガシィより
「これだけやっておけば良い!パワハラ防止法対策」
「使用者側目線 労災対応ノウハウ」セミナー発売中

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