36協定 手続き怠り特別条項無効 月118時間残業で送検
労働者4人に36協定の限度時間を超えて月100時間以上の時間外労働をさせたとして滋賀県の製造業代表取締役と同社営業所長を労働基準法第32条(労働時間)と第36条(時間外、休日労働)違反の疑いで書類送検されました。同社は特別条項付の36協定を締結していましたが、協定上の「限度時間を超えて労働させる場合における手続」として定めた「労働者代表者に対する事前通知」を怠っていました。
同社は令和4年6月に、労働者4人に対して月100時間以上の違法な時間外労働を行わせた疑い。時間外労働は最長の者で118時間に上っていました。過去にも同様の違反がみられましたが、監督指導では改善がみられず、送検に至っています。
労働基準法では、特別条項付の36協定を締結した場合、年6回まで限度時間を超える時間まで労働させることを可能としています。ただし時間外労働と休日労働の合計が月100時間以上におよぶと上限規制違反になります。
同社は、月の時間外労働の限度を42時間とした上で、月99時間までの時間外労働と休日労働が可能となる特別条項付の36協定を締結し、労基署に届け出ていました。協定で定める必要がある「限度時間を超えて労働させる場合における手続」について、同社は「労働者代表者への事前通知」としていたが、事前通知を怠ったまま月42時間を超える時間外労働をさせていたため、特別条項の部分は無効の状態にありました。
限度時間を超えて労働させる場合の手続きを定める際は、従業員個人への事前通知や、代表者との協議など、具体的な手続き方法を記載し、実際に運用することが必要です。
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