】社内研修のススメ

人手不足の時代こそ社員教育を

皆様ご存知の通り、日本は「超人手不足」の時代に突入しています。完全失業率は、2018年平均で2.4%と、バブル期と同等の人手不足です。また、有効求人倍率も2018年平均で1.63倍と、8年連続して上昇しています。これらをまとめると、「日本の企業が人手を欲しがっている」と言えます。
弊所の顧問先様からも、「募集をかけても集まらない」「やっとの思いで採用してもすぐに辞めてしまう」というご相談を数多く受けています。
人手不足のため、現場は残業続きで社員が辞めてしまい、職場の雰囲気はギスギスしている…というお声も少なくありません。
新規採用に重きを置くよりも、まずは定着率向上、離職率の減少を図りましょう。今いる社員がさらに自ら行動し、モチベーションを高め、さらには会社の生産性向上・売上アップにつながるコンピテンシー作成研修をご紹介いたします。

コンピテンシー(仕事のできる人の行動)とは

コンピテンシーとは、「仕事のできる人の行動」のことです。元々は、アメリカのハーバード大学の研究から生まれた考え方です。現在は、日本の企業において人事評価の手段として使われています。
今回ご紹介する研修は、社員自らコンピテンシー(仕事のできる人の行動)を考え、実行する研修です。この研修の最大のポイントは、【社員自ら考え、実行する】です。社員が自分たちでコンピテンシーを考えることにより、「皆で決めるから、出来るようになろう」という意識になります。自主的に会社を良くする行動を起こすようになり、お客様にも社員の変化が伝わるようになります。さらには、一人一人が目標を持てるため、定着率が上がります。

2:6:2の法則

組織は「仕事のできる人2割」「普通の人6割」「そうでもない人2割」で構成されていると言われています。
従来の人事評価制度の考え方は、「そうでもない人2割」を「普通の人6割」に引き上げるための制度です。対して、このコンピテンシーは、「そうでもない人2割」と「普通の人6割」を「仕事のできる人2割」に引き上げていきます。前述のとおり、仕事のできる人の行動を皆で考え、実行することにより、全員が仕事のできる人の行動をするようになります。

コンピテンシー研修の流れ

研修は、①選ぶ、②書く、③まとめる、の3ステップで進めていきます。3~5人のグループワークで研修を行います。
「①選ぶ」では、75枚のコンピテンシーカードの中から、仕事のできる人の行動にふさわしい項目を選びます。カードには「誠実さ」「行動志向」「理念・方針の共有」…というように、社会人としての基本項目もあれば、管理職向けの項目もあります。選ぶ際には「仕事のできる我が社の営業職の行動」「仕事のできる我が社の課長の行動」というように部署や役職別にすると選びやすくなります。
「②書く」では、①で選んだ項目に基づき、具体的な行動を書き出します。例えば、「思いやり」でしたら「仲間が仕事で追われているときには手伝うことはある?と声を掛け、積極的に手伝っている」といったように、場面が想像できるよう、当たり前の行動ではなくちょっと自慢できる行動を書き出します。
「③まとめる」では、②で書き出した行動の中から良いものをピックアップし、最終的にコンピテンシーとしてまとめ上げます。

大切なのは作成後の習慣化

研修直後は、良いものが出来上がった、頑張ろう!という気持ちで溢れていますが、翌日には研修の内容は忘れ去られます。そうならないためにも、作成したコンピテンシーを習慣化させることは大切です。
習慣化する方法としては、職場内のあらゆるところに掲示をする、持ち運べるよう小冊子にまとめる、評価シートに落とし込み定期的に行動ができているか確認をする、といった手法があります。
人は習慣を変えるためには最低でも3~6ヶ月間の期間が必要と言われています。まずは意識しなくともできるよう毎日行動し続けることが重要です。
この研修を行った顧問先様からは、「社員のモチベーションが上がった」「行動が変わった」というお声を頂いています。コンピテンシー研修にご興味がある方は是非ご連絡頂ければ幸いです。

コンピテンシー研修、新入社員研修、管理職研修、ハラスメント研修等、研修講師派遣のご案内はこちら

関連ブログ

2022年『少人数制・新入社員研修』を開催いたしました!

エフピオでは4月5・6・7・12日に様々な企業へ入社した新入社員の皆様をお迎えし、 研修を開催いたしました。 約50名様のご参加をいただきました。本当にありがとうございました! …

続きを読む

令和元年、新入社員の理想の上司は?

 桜の季節もひと段落し、改元「令和」にむけた準備で皆様忙しい毎日かと思われます。この4月に新入社員を迎えられた会社の皆様、新入社員の方々は研修を修了し、それぞれの現場でのデビューを飾るころでしょうか…

続きを読む

お問い合わせは、下記よりお願いいたします。

弊社の記事の無断転載を禁じます。なお、記事内容は掲載日施行の法律・情報に基づいております。本ウェブサイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。社会保険労務士法人エフピオ/株式会社エフピオは本ウェブサイトの利用ならびに閲覧によって生じたいかなる損害にも責任を負いかねます。

タグ:
新入社員研修 ,
   

関連記事

2024.04.01
東京商工リサーチ掲載記事
『社員研修の目的と企画・導入』について<社会保険労務士 廣瀬潤>
2024.03.04
東京商工リサーチ掲載記事
週10時間勤務で、雇用保険加入へ ~ダブルワーク時の労災保険、雇用保険、社会保険の取り扱いはどうなるの?~<社会保険労務士 浅山雅人>
2024.02.28
東京商工リサーチ掲載記事
マイナンバーカードの健康保険証 利用されてますか?<社会保険労務士 伊藤美由起>
2024.02.05
東京商工リサーチ掲載記事
労災で休業が発生した場合の休業補償のイロハ ~知っておくべき、基礎知識~ <社会保険労務士 小野田春奈>
2024.01.22
東京商工リサーチ掲載記事
雇用保険=失業保険にあらず。人材育成に活用を!<社会保険労務士 松井 碧城>
2023.12.25
東京商工リサーチ掲載記事
建設業だったら協定さえ結んでおけば、月45時間超えて残業させても大丈夫なんですよね?<コンサルタント 松岡藍>
2023.11.27
東京商工リサーチ掲載記事
「会社分割」における労働契約の承継<社会保険労務士 小山健二>
2023.11.20
東京商工リサーチ掲載記事
社長の金庫に入れられた就業規則は有効か?<社会保険労務士 石川 宗一郎>
2023.10.30
東京商工リサーチ掲載記事
年収の壁・支援強化パッケージの落とし穴~この2年間、年収130万円超えても被扶養者になれる?は誤解~<社会保険労務士 浅山雅人>
2023.10.16
東京商工リサーチ掲載記事
年収の壁(106万円の壁、130万円の壁)を改めて考えてみました<社会保険労務士 廣瀬潤>