】2022年1月1日より、雇用保険マルチジョブホルダー制度がはじまります

記事を作成している10月はじめ、厚生労働省より、マルチジョブホルダー制度が発表されました。

従来の雇用保険制度は、主たる事業所での労働条件が週所定労働時間20時間以上

かつ31日以上の雇用見込み等の適用要件を満たす場合に適用されます。従来の制度はそのままに、新たに新設された雇用保険マルチジョブホルダー制度は、複数の事業所で勤務する65歳以上の労働者が、そのうち2つの事業所での勤務を合計して以下の適用対象者の要件を満たす場合に、本人からハローワークに申出を行うことで、申出を行った日から特例的に雇用保険の被保険者(マルチ高年齢被保険者)となることができる制度です。

ここでのポイントは5つです。

まずは、すべての労働者が対象となるのではなく、65歳以上の労働者であることが1つめのポイントです。

2つめのポイントは、労働時間です。2つの事業所(1つの事業所における1週間の所定労働時間が5時間以上2時間未満)の労働時間を合計して1週間の所定労働時間が20時間以上であることです。

3つめのポイントは、2つの事業所のそれぞれの雇用見込が31日以上であることです。

4つめのポイントは、条件を満たせばすべての人がマルチジョブホルダーになるわけではなく、労働者本人からハローワークに申出を行うことで、労働者本人が手続きを行うことにより、被保険者になることができる、という制度であることです。 5つめのポイントは、雇用保険の被保険者(マルチ高年齢被保険者)となった後の取扱いは、通常の雇用保険の被保険者と同じで、任意脱退はできないことです。


出展:厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000838542.pdf

マルチ高年齢被保険者が失業した際には

さて、マルチ高年齢被保険者が失業した場合は、どうなるのでしょうか?

一定の要件を満たせば、高年齢求職者給付金(被保険者であった期間に応じて基本手当日額の30日分または50日分の一時金)を受給することができるようになります。

ただし、ここでもいくつかの注意点があります。

2つの事業所のうち1つの事業所のみを離職した場合でも受給することができます。

ただし、上記2つの事業所以外の事業所で就労をしており、離職していないもう1つの事業所と当該3つ目の事業所を併せて、マルチ高年齢被保険者の要件を満たす場合は、被保険者期間が継続されるため、受給することができません。 離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上あること等の要件があります。また、原則として離職の日以前の6か月間に支払われた賃金の合計を180で割って算出した金額の、およそ5~8割となっており、賃金の低い方ほど高い率となります。

事業主の方への注意点

事業主の方の注意点は4つです。

1.マルチジョブホルダーの労働者が、雇用保険の適用を受けるために、労働者から手続に必要な証明を求められた場合は、速やかなご対応が必要です。事業主の協力が得られない場合は、ハローワークから事業主に対して確認を行います。

2.雇用保険の成立手続きが済んでいない事業所の場合は、別途手続きが必要となります。

3.マルチジョブホルダーが申出を行ったことを理由として、解雇や雇止め、労働条件の不利益変更など、不利益な取扱いを行うことは法律上禁じられています。 4.マルチジョブホルダーがマルチ高年齢被保険者の資格を取得した日から雇用保険料の納付義務が発生します。


出展:厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000838542.pdf

今回は、2022年1月からの法改正内容を取り上げましたが、2022年は、これ以外にも、2022年に段階的に施行になる、育児・介護休業法の改正(男性育休)、2022年4月からの改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)の中小企業への適用、年金制度改正法の施行、2022年10月には社会保険の適用拡大(前々回の号にて掲載)、など法改正が目白押しです。万全の準備をして、2022年を迎えたいものです。ご不明な点がある場合は、年内にぜひ、ご相談ください。

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