60歳の定年後も希望者全員を雇用することが、義務化されました(H25年改正)
法改正情報 平成24年9月11日(火曜日)
本記事は平成25年の高齢法改正「65歳までの希望者全員再雇用」について記載しています。令和3年4月1日に改正が予定される高年齢者雇用安定法の「70歳定年の努力義務化」については下記をご覧ください。
60歳の定年直前の従業員を抱える事業主様 ご注意ください!
8月29日、60歳の定年後も、希望者全員を雇用することを企業に義務づける高年齢者雇用安定法改正案が、成立しました。この法改正は、来年の平成25年度から 厚生年金を受け取れる開始年齢が引き上がるため、60歳で定年退職して、賃金も年金も支給されない高齢者が増えるのを防ぐ狙いです。
施行は、平成25年4月から始まります。60歳の定年直前の従業員を多く抱える事業主様にとっては、人件費の負担増に備えるための対応が急がれます。
今回の改正高年齢者雇用安定法について、下記にまとめましたのでご覧ください。
具体的には、どう変わるの?
平成24年までの高齢法は、「労使協定」で「能力」「勤務態度」「出勤率」などの基準を定めることにより、再雇用する従業員を絞り込むことが可能です。これが、H25年4月から、原則全員 再雇用しなければなりません。
対象者を、能力などで絞り込めなくなります!
「それは、大変だ!!」と思われた社長。ちょっと待ってください!
ただし、この希望者全員の雇用制度は、
希望どおりの雇用条件で雇用し続けなければならないわけではありません!
現役時代の給与を含む雇用条件を見直すことは違法ではありません。
「意向のあった者」ではなく、「希望のあった者」を全員雇用する。これが、「希望者全員雇用制度」です。
つまり継続勤務をしたいという「意向のあった者」に「もれなく雇用条件を提示する」をすれば、よいのです。
しかも、この法改正には、経過措置があります!
H25年4月から適用ですが、いきなり全員65歳まで再雇用ではありません。 この労使協定の「基準の廃止」には、経過措置あります。例えば、平成25年4月1日~平成28年3月31日までの3年間は、61歳までは希望者全員の再雇用が義務ですが、61歳以降は労使協定の基準が使えます。
※注)令和3年追記:これらの経過措置は労使協定を締結していた企業に限られ、平成28年3月31日までに労使協定を締結していない場合は原則どおりの65歳まで希望者全員の再雇用が義務となります。
【平成25年4月1日~平成28年3月31日の場合】
まずは、61歳までが、原則全員 再雇用
経過措置
平成25年4月1日 ~ 平成28年3月31日 61歳
平成28年4月1日 ~ 平成31年3月31日 62歳
平成31年4月1日 ~ 平成34年3月31日 63歳
平成34年4月1日 ~ 平成37年3月31日 64歳
平成37年4月1日 ~ 完全施行(希望者全員の65歳までの継続雇用)
【参考リンク】
「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案」の概要(厚生労働省)」
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