【弁護士解説】~就業規則の重要性~<よつば総合法律事務所 弁護士 村岡 つばさ>
よつば総合法律事務所 弁護士の村岡つばさです。
6月2日に、エフピオさんとのコラボセミナーで、「就業規則総点検セミナー」を開催します。
おそらく、本コラムをご覧いただいているのは、セミナー開催後かと思いますが、今回は、就業規則の重要性について、弁護士の立場からお話させていただきます。
◆就業規則がないとどのような不都合があるか?
一番大きいのは、「懲戒処分」です。現在の裁判所の運用では、就業規則が存在しない会社では、懲戒処分(制裁的な意味合いを持つ処分)を科すことはできないと解されています。
無断欠勤、遅刻、さぼり、職場内でのトラブル、横領等々、従業員を雇用する以上、様々な問題行動が発生しますが、就業規則がないと、懲戒処分を行うことができません。問題行動を野放しにせざるをえず、企業秩序が守れない危険性があります。
そのため、法律上の作成義務がない会社であっても、就業規則を作成することをお勧めしています。
◆就業規則、作れば大丈夫だよね?
実は、作っただけでは不十分で、労働者に「周知」させないと、効力が生じません。
「周知」とは、何も全員に交付するとか、確認してもらうまでの必要はなく、「労働者が見ようと思えばすぐに見れる」状態であればOKです。
実際には、就業規則の保管場所(PCの共有フォルダでもOKです)を従業員に伝え、いつでも見れるようにしておけば十分です。「保管場所を聞いていない!」と言われることもあるので、雇用契約書・労働条件通知書に、就業規則の保管場所を明記しておくということも考えられます。
◆大分前に就業規則を作ったまま放置しているけど、大丈夫?
一度、賃金規程と併せて、内容を点検される(点検をお願いする)ことをお勧めします。
就業規則を作成した頃と、現在とで、会社内のルール、運用が変わっていることも多くあります。
特に、賞与・退職金の有無や、手当の有無、昇給の有無等、作成当初からルールが変わっていませんか?
社内のルールを変更した場合、それに合わせて就業規則・賃金規程を変更していないと、ルールの変更を従業員に主張できないことがあります。
また、雇用契約書の記載内容と、就業規則・賃金規程の記載内容とがずれている場合も危険です(変更未了の就業規則・賃金規程の内容が、雇用契約の内容となってしまう可能性があります。)。
就業規則の作成・変更が大分前の場合には、一度エフピオさんにご相談されることをお勧めします!
お問い合わせ
よつば総合法律事務所千葉事務所 弁護士 村岡つばさ
TEL:043-306-1110(エフピオの法律コラムを見た、とお伝えください)
〒260-0015 千葉県千葉市中央区富士見1丁目14番地13号
千葉大栄ビル7階(※柏にも事務所がございます。)
村岡 つばさ
よつば総合法律事務所
弁護士
【略歴】
埼玉県戸田市にて出生
私立鎌倉学園中学校/ 高等学校卒業
早稲田大学法学部卒業 慶應義塾大学法科大学院卒業
司法試験合格後よつば総合法律事務所へ入所。
企業法務を積極的に取り組み、特に労務分野に明るく、
千葉県社労士会で講演活動を行うなど精力的に活躍中。
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