】Withコロナ時代、働き方改革ならぬ、変わらなければならない働き方!?

 5月25日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が全面解除されて、1か月が経過しました。市中の車両の交通量は以前に比べて増えているものの、経済活動の正常化はまだまだ遠く感じます。さて、Withコロナという新たな言葉も生まれ、コロナウイルスとのおつきあいは、残念ながら今しばらく続きそうです。さて、労務管理上、コロナウイルスに関連してお付き合いしなければならないのが、勤務先でのコロナウイルス感染や、感染防止のために在宅勤務している際にケガをした場合の労災補償について、今回は見ていきましょう。

労災保険の補償内容

労災保険は、労働者が仕事や通勤中に、病気やケガを負った際に補償を受けることができる公的な保険制度のことです。従業員を雇用する事業所には加入義務があり、保険料を事業所が全額負担します。パートやアルバイトなど非正規社員も対象となる一方で、フリーランスや個人の自営業は原則適用外です。たとえば、療養補償給付は、業務中の病気やケガに対しての保険で、病院等で治療を受けた際の費用が全額免除となります。通勤が原因の場合は、療養給付と名前が異なりますが、費用が全額免除となるなど、名前の違い以外は補償の内容は一緒です。 

また、業務が原因の病気やケガを負って療養のために仕事を休んだ場合、休業4日目から、休業補償給付が給付されます。通勤中の場合は、休業給付が給付されます。給付の金額は、直近3か月間の1日当り平均賃金の6割を休業(補償)給付として、2割を特別支給金として、合計平均賃金の8割を受け取ることができます。

勤務先でのコロナ感染

厚生労働省が、4月下旬にコロナ感染に関して、通達を出しています。業務が原因となった場合の感染は、原則として、労災補償の対象となる、という見解を示しています。医療や看護、介護に従事する、コロナウイルス感染しやすい環境の人だけではなく、複数の感染者が発生した職場で働いていた、多くの人と接する仕事をしていた、という環境での感染の場合は、労災の対象になる可能性が大きいです。ただし、実際に認定されるか否かについては、労働基準監督署が個々のケースに応じての判断となるので、一概に「補償対象になります」、と事業所側での判断や断言できないのがつらいところです。

在宅勤務(テレワーク)も労災の適用を受けることができる

前述の在宅勤務している場合も、業務に関連するものであれば労災の対象となります。自宅での業務中に、トイレに行くために離席し、椅子に座ろうとして転倒したケースで補償が認められたケースもあります。

 ただし、在宅勤務中に労災の適用にならない事故のケースも存在します。在宅勤務で息抜きのために散歩に出ていて転倒し負傷した、在宅勤務中に中抜けして子供を保育園に迎えに行く途中での事故、個人で受託したフリーランスの仕事中の事故、などは労災の適用範囲外となります。仕事とプライベートが混在してしまう在宅勤務中の事故においては、事業所(職場)での事故と比べて労災の認定は難しくなります。どこで、いつ、在宅勤務を行うのかを事前に事業主と確認し、業務開始時刻と業務終了時刻、中抜けの場合の申請、連絡方法などを定めておくことが、混乱を避けるために必要となります。

感染防止を目的とした、在宅勤務(テレワーク)の見直し

言葉を選ばずに言えば、コロナウイルスにより、会社としては選択肢なく、否応なく、強制的に、なし崩し的に始まってしまった感の強い在宅勤務(テレワーク)ではないでしょうか。一方で、労働時間や休憩時間の管理方法(在宅勤務の勤務開始時刻、勤務終了時刻、中抜け時間)や、在宅勤務中に外出を命令する場合や、外出から在宅勤務へ移行する場合の移動時間を労働時間とみなすか否かなど、外枠をきちんと埋めてからの在宅勤務開始ができている会社は、極々少数です。緊急事態宣言が解除された今、改めて、従業員の誰が在宅勤務者となることができるのか、在宅勤務を事業所が認める場合の手順を見直す、良い機会です。顧問先の社労士事務所へご相談いただき、労災になる、労災にならないといったトラブルや、労働時間だと思っていた、労働時間ではなく休憩時間だというトラブルにならないように、事前の備えをすべきです。

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