】~労災事故発生時の会社の注意点-その②~<よつば総合法律事務所 弁護士村岡つばさ>

前回は、労災事故が発生した際に会社が負う可能性のある責任・リスクについてお話させていただきました。

今回は、労災事故が発生した後、 初動対応の注意点についてお話させていただきます。

①はじめに

・労災事件において初動対応は非常に重要です。初動対応を誤ったが故、会社が多額の賠償金を支払わなければならなくなったケースもあります。

②事故状況の把握・記録化

・被災労働者の救護や労基署への報告等は当然として、特に現場災害の場合、事故状況に関する資料をきちんと残すことが非常に重要です。現場の写真撮影+目撃者・関係者にヒアリングをし、事故から時間が立たない時点で、「会社として把握している事故状況」を記録化することが大事です。

③被災労働者・遺族対応

・労災に当たるか否かを問わず(例:過労死か、単なる私傷病が不明な場合でも)、できるだけ早めに、被災労働者のお見舞いや遺族に会いに行くべきと考えます。この段階での「会社の誠意」(not金銭的補償)が、今後の解決を大きく左右します。

・事故の原因や責任論の話が出ることもありますが、会社の把握している事実関係は共有した上で、責任論の話は、この段階(初動対応の段階)では避けた方が良いです。会社の発言は全て録音されていると思った方が良く、安易な発言は厳禁です。

④労災自体を争う場合の対応

・被災現場を目撃した者がおらず、客観的状況からも、労災事故の発生自体が疑わしかったり、ハラスメント・過重労働を理由とした労災を主張されている場合、労働者が自死してしまった場合等、労働者・遺族より労災利用を求められても、労災であること自体を争わなければならない場面も多くあります。

・この場合、「労働者の求めに応じて、安易に労災関係書類(私傷病報告等)に事業主証明を行う」ことは絶対NGです。一度証明した内容を後に争うのは非常に困難です。なお、事業主が証明に協力しない場合でも、労働者自ら労災申請を行うことは可能です。

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村岡つばさ

よつば総合法律事務所 企業法務部門責任者・弁護士

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【略歴】早稲田大学法学部・慶應義塾大学法科大学院卒業
千葉では珍しく「企業法務案件」のみを扱う弁護士。
会社側の労働案件が専門分野。
社労士会、税理士会、弁護士会等各種団体で研修・セミナー講師を多数担当。
税理士法人レガシィより
「これだけやっておけば良い!パワハラ防止法対策」
「使用者側目線 労災対応ノウハウ」セミナー発売中

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