【弁護士解説】~M&Aのトラブルについて-その①~<よつば総合法律事務所 弁護士村岡つばさ>
ここ1年を振り返ると、契約周りや労務トラブル、債権回収のご相談も多かったのですが、「M&A」に関するトラブルのご相談も多くありました。今回からは複数回に亘り、M&Aのトラブルについてお話していきます。まずは初回として、M&Aの定義や流れについて解説します。
1 そもそもM&Aとは?
企業の合併・買収を意味します。M&Aには様々な手法(スキーム)がありますが、最もポピュラーなのは、「株式譲渡」です。売主より会社の株式を取得することで、その会社の支配権を取得することが可能となります。なお、株式会社の所有者は、「社長」ではなく「株主」であり、株式会社の経営権・支配権を取得するためには、株式の取得が必要となります。
2 M&Aの流れ(株式譲渡の場合)
ざっくりと説明すると、以下のような流れを踏むことが多いです。
①売主と買主のマッチング(仲介業者やマッチングサイトを活用することが多いです)
②秘密保持契約の締結(企業の重要な情報を開示するため、秘密保持契約書をこの段階で締結することが多いです)
③売主・買主の代表者間で面談(トップ面談と呼ばれます)
④基本合意書の締結(最終合意に向けてのスケジュールや、その時点で合意となっている株式の譲渡価格等につき書面の取り交わしを行います)
⑤デューデリジェンスの実施(法務・労務・税務等の観点から問題がないか、買主側で売主の会社を調査します。弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士等の専門家が関与することが多いです。
【M&Aを成功に導くための分析や準備】デューデリジェンス(DD)とは?
⑥最終条件の交渉(⑤のデューデリジェンスの結果を踏まえ、最終的な株式譲渡価格の交渉を行います。なお、この段階で契約が白紙になることも珍しくありません。)
⑦最終契約書の締結
なお、この①~⑦とは別に、買主・売主それぞれ、社内の必要な手続(株主総会決議等)を行う必要があります。
次回意向は、具体的なM&Aのトラブルについて見ていきます。 今年1年、コラムをご覧いただき、誠にありがとうございました!
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