】~従業員を辞めさせたい!退職勧奨の活用~<よつば総合法律事務所 弁護士 村岡 つばさ>

よつば総合法律事務所 弁護士の村岡つばさです。

1 はじめに

「問題従業員を辞めさせたい!」と思ったときに、真っ先に思い浮かぶのは解雇だと思います。

ただ、我が国の労働法・裁判実務では、解雇が有効とされるハードルが中々高いのが実情です。

そこで、弁護士としては、解雇ではなく退職勧奨をお勧めすることが多くあります。

前回のコラムでも、退職勧奨のお話を少し書きましたが、もう少し詳しくお話したいと思います。

2 解雇無効となった場合のリスクとは?

解雇が無効となった場合、「会社の無効な解雇によって労働者が働くことができなくなった」ことを意味します(会社都合で労働者を休ませた場合と同様です)。

そのため、無効な解雇が行われてから解決するまでの間の給与相当額の支払が、原則として命じられることとなります。

解決までに時間がかかった場合、この給与相当額だけでかなりの金額になることもあり、1億円もの支払命令が言い渡された裁判例もあります。

しかも、解雇が無効である以上、その労働者の籍が残っていることになります。「多額のお金を払って、しかも問題従業員が戻ってくる」という最悪のケースも十分に考えられるのです。

3 解雇と退職勧奨の違い

解雇は、労働者との雇用関係を一方的に解消する行為です。

他方、退職勧奨は、労働者に退職を「勧める」ものであり、両者の意味合いは大きく違います。勿論、退職勧奨に応じるかは労働者次第ですが、労働者が応じた場合には、「合意による退職」になるため、解雇が有効か無効か、といった問題にはなりません。

これは感覚的なものですが、解雇と退職勧奨とでは、紛争化するリスクが10倍くらい違います(退職勧奨の方が揉めません)。

4 退職勧奨を行う際の注意点

①時間・回数に注意する(長時間+執拗な退職勧奨はNG)、②発言に注意する(威圧的な発言はしない/嘘はつかない(懲戒解雇できないのに、退職しなければ懲戒解雇する等))、③即答を迫らない(ケースバイケースですが、可能であれば持ち帰って検討させることをお勧めします)、④退職に応じた場合には速やかに退職合意書を取り交わす(又は退職届を提出してもらう)、といった点に注意する必要があります。

あくまでも退職を「勧める」のであり、退職「強要」とならないように、注意が必要です。

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村岡 つばさ
よつば総合法律事務所
弁護士
【略歴】
埼玉県戸田市にて出生
私立鎌倉学園中学校/ 高等学校卒業
早稲田大学法学部卒業 慶應義塾大学法科大学院卒業
司法試験合格後よつば総合法律事務所へ入所。
企業法務を積極的に取り組み、特に労務分野に明るく、
千葉県社労士会で講演活動を行うなど精力的に活躍中。

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